停戦中のイスラエル観光、「来てくれてありがとう」

中東はすっかりご無沙汰だったが、幼馴染が既成事実のようにイスラエルに行くことにしてきたので、勢いで行くことにした。

諸々の予約をしてから気づいた。「あれ、まだ戦争中だっけ・・・?」と思い、見てみると停戦中だった。

・・・

まあ、なんとかなるだろう。フライトがあるのが何よりの証拠だ。

などとのんきに構えながら行ってみたのだが、停戦中とはいえ、観光客はまばらだった。観光客風に見えても、結局はユダヤ系の人々だったりする。アジア系の観光客はほとんどいなかった。

町中にはそこかしこに、人質となった人々のシールが貼られていた


駅ピアノを弾く兵士。レベルが高い。

エルサレムの旧市街はいつ行っても人で賑わっているのだが、季節のせいか戦争のせいか、シンとしていた。これほど静かなエルサレムは見たことがない・・・


旧市街でも人質のシールが貼られている


岩のドームの姿も変わらない


エルサレム猫は、ゆるふわ女子みたいな雰囲気を出していた

土産物屋やツアーで出会った、イスラエル人の口から飛び出したのは

「本当に来てくれてありがとう」

という言葉だった。オーバーツーリズムに悩まされる国が多い中、一体どこに「来てくれてありがとう」という感謝を述べる国があるだろうか。

話を聞くと、この国の人たちはとても孤独だったのだなと思う。戦争のきっかけになったノバフェスティバル事件で、多くの自国民が殺されたり、人質を取られてはいるが、世界のガザ報道の大きさから、それに対して同情する人は少ない。イスラエルのズッ友、アメリカを除けば。観光客は減り、観光業にも大きく影響を与えていることが伺える。

どこへ行ってもイスラエル人というだけで、嫌な顔をされるのが目に見える。日本でもイスラエル観光客に出会ったが、国際政治にいい意味で無頓着な日本だから旅行しやすく、旅行先で選ばれているなんて話も聞いたことがある。

エルサレムは唯一無二の場所なので、観光客がいなくとも、淡々とマイウェイを貫いていた。ちょうどその時期は、ユダヤ教の祭り「ハヌカ」で、街中では燭台に火を灯すセレモニーが毎日開かれていた。また旧市街のクリスチャン地区ではクリスマスマーケットと、いろんな祭りが混在しているのがエルサレムの良いところ。

そんな中、オーストラリアではユダヤ人を狙った射殺事件が。これを単なる射殺事件と捉えるか、反ユダヤ主義的な行動ととるか・・・イスラエルにいると、いやでも政治的なことを考えさせられる。ユダヤ人というだけで、安心して自分たちの伝統も祝えない。そんな場所が世界にはあるのか・・・


お馴染みの爆音ミュージックと共に点灯式が行われた


ハヌカ祭りではよく出回る、スフガニヤと呼ばれるドーナッツ。甘すぎるためワンシーズン1個で十分


死海でとりあえず浮く。冬でも泳げる。対岸にヨルダンが見える


イスラエルに行ったらやっぱり超正統派地区での推し活は欠かせない


テルアビブはおしゃれで、相変わらず行くと緊張してしまう

10年ぶりのイスラエルだったが、ちょっとした変化を除けば、町はほとんど変わっていなかった。渋谷でさえ10年も経てば、別人にトランスフォーメーションしてしまうのに。町も人も変わっていない、そんなことにちょっとした安心感を抱いてしまった。

しかしやはりイスラエルは相変わらずイスラエルで、どこに行っても国旗がはためき、ユダヤ人スピリットを感じざるを得ない。他の国にはない独特の雰囲気をまとっている。いろんな国を旅してきたけれども、宗教や政治の複雑さも含めて、ああ、やっぱり自分はこの国が好きなんだなと改めて思うのであった。