これは高野氏の本やよく言われるようにソマリランドの治安は本当に良い。1人で町中をうろうろ歩けるのだから、他のアフリカ諸国に比べると断然よいと言えるだろう。もちろん最低限気をつけるべきところは気をつけての上だが・・・
女性は服装に注意
特に女性の場合は、髪をスカーフで隠すなどイスラム教国家ならではの気をつけるべきポイントがある。通常は髪を覆うだけでよいと思うが、(実際にホテルに滞在していたUN職員や欧米人の観光客はそうしていた)ロンリープラネットの旅フォーラムで女性がジーパンをはいていてえらい目にあったので、スカートをはいていくべしという書き込みをしていた。
できるかぎりトラブルは避けたいので、ドバイ空港でイスラムの女性がきているチャドルを空港で購入し、空港のトイレで着替えてフライトに挑んだ。
ハルゲイサ行きのフライトでは女性が皆イスラム教でチャドルを来ているため、なんとなくここからやらねばという気持ちになったからだ。
ちなみにチャドルは日本円で3000~4000円ほどで、色は黒しかなかったのだが、ソマリランドではカラフルなチャドルを来ている人がほとんどなので、カラフルなものを選べばよかったと少し後悔した。
このイスラム教女性になる作戦が功を奏したのか、滞在中は特に問題がなかった。
ハルゲイサ以外の都市では兵士をつける必要がある
ただ、ハルゲイサ以外の都市へ出かける場合にはエスコートをつける必要がある。エスコートというのは、簡単に言えば銃を持った護衛の兵士。
アンバサダーホテルの場合、ベルベラにいきたいというとドライバーとエスコート2名をつけて1日$250USDかかった。
せっかく250ドルも払うので、1日存分につき合ってもらった方がよい。ちなみにアンバサダーホテルのスタッフいわく、値段は交渉不可とのこと。ちなみに下はベルベラに行く際の兵士達。全体的にゆるい感じ。
兵士をつけなくてはいけない理由
この兵士制度?が始まったのにはちゃんと理由がある。2003年に、ソマリランドにいた援助活動家3名がモガディシュからきたソマリ人のテロリストによって殺害されたため、ソマリランド政府?はそれを深刻に受け止め、外人がハルゲイサ以外を出歩く場合には兵士をつけるようになったとのだ。
ソマリランド政府としても、外国人がソマリランド内で殺害され国際的な非難を受けるのをさけたいという狙いだろう。逆に言えば、兵士をつけなくても自由に出歩けるハルゲイサはかなり治安がよいと言えるのでないか。
ここが本当にソマリランドなのか?
もちろん噂では安全と聞いていたソマリランドだが、不思議なことに3日滞在していも本当にソマリランドにいるという実感がわかなかった。
イスラエルやパレスチナの時でさえそんなことはなかったのだが、これが実感がわかないということなのかということをもろに体験した。
目の前にあるのは、牧歌的な人の営みがあるだけで、それを淡々と眺めているという、まさに予想通りのものが目の前にあるはずなのだが、いざそうなると不思議な気分になってしまうというか。
本当になんとも形容しがたい気分になったが、それは決して悪いものではなく、むしろ心を落ち着かせてくれるものだった。