最近悩まされているのが、高度なビジネス英語や文化でもなく”how are you?”である。中学の英語教科書で一番最初に習う会話だと思うが、ここに来てhow ar eyou?の使用法がいまいち分からないということに気づいた。
大体日本だと、”how are you?”と聞かれたら、”I’m fine”と答えるように習う。しかしグリーン先生が教えてくれるのはそこまでで、実践にあった本当の使用法を教えてくれはしない。
How Are You?の答え方の極意
日本語訳をすると「元気ですか?」となるので日本人の感覚だと、正直に元気がないとか疲れているとか言いたくなるところである。だからこそ、「悪くない」とか「まあまあ」みたいな回答はどうやって英語でいうのか?といった質問もよく目にする。
しかし、そのようなネガティブな答えは決して求められていないのが、この”how are you?”のミソなのだ。「まあまあ」というぐらいだったらグリーン先生の教えの通りに”I’m fine”と言っておくのがマシなようだ。
ネイティブ英語ポリスことニュージーランドの上司に、「元気じゃなくても絶対”I’m fine”とかいわなきゃいけないの?」と聞いたところ、「そうだ」と答える。
それじゃあ嘘をついていることになるじゃないか!
と反論すると、そうだと認めた上で、質問している側としてはネガティブな答えは決して期待していないので、正直に「あんまりよくない」「疲れている」と答えるのはNGだそうだ。
じゃあ逆に、誇張して”great”とか言ったらどうなんだ?と聞いたところ、
「それは大げさに聞こえるからだめだ」
とまたしてもダメ出しをくらう。ちょうどよい頃合いで”I’m good”などと繕うのがマナーらしい。日本人は本音を言わないから何を考えているのか分からないという外人も、同じように取り繕いな会話をしているではないかと突っ込みたくなる。
とにかく明るい人間のフリをしなければならない、というどーでもいいプレッシャーがのしかかる。
“How Are You?”と聞かれたら自分も聞き返すべきなのか?
職場ですれ違った際に簡単な会話として、また仕事の話をする上でも必ずhow are you?から始まる。
そんなのすっ飛ばして、いきなり本題に入ればいいのにともどかしさを感じる私だが、今のところはとりあえず”how are you??”と聞かないと無礼者と思われるのではないかと思い、周りに従いこの質問から会話を始めるようにしている。
しかし、「元気ですか?」なんてアントニオ猪木でもない普通の日本人は、文化的に言い慣れていない。
頭では分かっていても、つい日常ではさぼってしまったり、聞き返すのを忘れていまったりする。しかし一方で相手には聞かれまくる。
とりあえず「元気だぜ」と答えるが、いつも「あんたはどう?」と聞き忘れてしまう。というかおんなじやりとりばかりなので、なぜこの”how are you??”を言い合わなければいけないのかよく分からない。
そこでネイティブ英語ポリスに、「聞き返さないのは失礼か?」と聞いたら
「失礼ではないが、”how are you??”は相手に対して気にかけているという状態を表すので、そうした態度を示す意思があるのならしたほうがよい」
という。イマイチわからん・・・と思っていたら「つまるところ日本でいうならば、お辞儀をされたのに、お辞儀をし返さないのと同じだよ」という。
ははあ、これで腑に落ちた。
ちなみにインド人上司は、このやりとりを笑いながら聞いていた。変な質問をするやつだとも思っていたのだろう。どうにも外人が”how are you?”と聞きまくるのが不可解だし、答え方の作法にいつも迷っていたから、回答がわかりすっきりしたから、笑われるのは構わない。
グリーン先生は教えてくれなかった”how are you?”の本当の意味。生活でよく使うようになって初めてわかった言葉だけでなく、その背後にある意味を。