ドイツで実践した硬水対策。シャワー、洗顔、飲み水など

初めて旅行でドイツに来た時から薄々感じていたが、どうもドイツの硬水はやばいんじゃないかと。移住後それは確信へと変わる。洗った食器に付着する白いカルキの跡、体調の悪化、抜け毛・・・それは世界で最も住みづらい場所、パキスタンのカラチに住んでいた時のことを彷彿させるぐらいのレベルだった。

先進国ドイツなのに、こんなに水質がやべえとは・・・というわけで、筆者が実践した硬水対策を紹介。

飲み水対策

移住後の1週間ぐらいは、水道水をそのまま飲んでいたが、それゆえに体調が明らかに悪化した。そもそも味が石っぽいし、沸騰してもやはり美味しくない。コーヒーの味もまずいのである。

水道水を飲み続けていると、お腹の調子が悪くなったり、ガスが溜まったような違和感を覚える。水がまずいのはQOL(クオリティオブライフ)にも影響を与える。というわけで、早速手に入れたのがBRITAの浄水器。美味しい水が飲めることのありがたさよ・・・!その後は、スープや米を炊く際にも、浄水器を通した水を使っている。

ブリタの浄水器

ただし、フィルターは使い捨てなので1ヶ月おきぐらいに取り替える必要がある。浄水器はREWEといった大型のスーパーや電気製品を取り扱う店、アマゾンなどで購入可能。初期購入する際は、交換フィルターと一緒に買っておくと良いだろう。

ちなみに周りに聞くと、蛇口に取り付ける浄水器を使っていたり、浄水器は使わずに水を購入しているという人もいた。フィルター取り替え費用を考えればそこまでコスパは悪くないという。ただ聞いた中で水道水を直接飲んでいる人はいなかった・・・

キッチン周りの水対策

飲むとやべえ水は、触らないに越したことはない。飲み水はクリアしたものの、日常的に水に触れないのは不可能だ。

次に私が悩んだのが、食器洗いである。硬水な上に、寒さの厳しいドイツでは、食器を洗うのも少しためらわれる。ゴム手袋をすることも考えたが、家に食洗機があったので使うことにした。初めて食洗機なるものを使ってみたのだが、これがまあとにかく便利。遅ればせながら私の生活にも家事革命がやってきたのである。ちなみに食洗機用の洗剤なども、ドイツの硬水にあった専用のものを購入する必要がある。

シャワー対策

日本の軟水シャワーだと髪が柔らかくツヤツヤになるが、硬水シャワーを浴びると、髪がごわつく、パサつく、抜けるなど、何も良いことはない。パキスタンでは、髪を洗ったのに、髪がべっとり、ギトギトというわけのわからない現象に見舞われた。そう、シャワーの水質は、髪質に大きな影響を与える。

というわけで、私が導入したのがフィリップスのシャワーフィルター。こちらは、ベルリンに住むFBコミュニティでおすすめされてたものだ。値段も22ユーロほどと手頃で、取り付けもとっても簡単。もっと早く買えばよかったと思っている。

フィリップスのシャワーフィルター

フィリップスのシャワーフィルター
取り付けがものすごく簡単。

フィルターを使っていないという知人は、シャワー前にオイルを髪に塗り、ヘアトリートメントをし、乾燥前にもオイルを塗る、といった方法を教えてくれた。彼女も抜け毛に悩まされていたというが、今ではサラサラふわふわヘアーで、そんな問題を抱えていたとは到底思えない。知人が勧めてくれたアイテムが以下。

WELEDAのヘアオイル

BODY SHOPのヘアマスク

上記に加え、ドイツ在住のビューティーアドバイザーが勧めていたものも取り入れている。詳細は以下の『美容とメイクの新常識』という本で。内容はメイクが中心だがドイツに関連する内容もあり参考になる。

ロレアルのエクストラオーディナリーヘアオイル

冬の場合は、乾燥対策も考慮する必要がある。筆者もフケに悩まされていが、敏感肌用のSebamedのシャンプーを使い始めてからフケ問題は解消。説明にもある通り、4回使うことでフケが最小限になるとのことだったが、本当にそうだった。この辺りから、やはり水系に関するものはドイツで買った方が良いと思うようになる。

Sebamedのフケ対策シャンプー

スーパーで売っており、値段もお手頃なのが嬉しい

また髪を洗う頻度を週に1~2回に下げるようになった。日本だと不潔に思われるかもしれないが、寒い時期に洗うと余計に乾燥してしまうからだ。

洗顔対策

当初は水でパシャパシャ顔を洗っていたが、やはり長期的に硬水で顔を洗うのはどうなのか・・・というわけで、ドイツではお馴染みだという「拭き取り化粧水(ミセラウォーター)」を導入することに。

化粧水とあるが、メイク落とし、洗顔、化粧水の3つの役割がセットになっており、これをコットンに含ませて顔を拭うだけでOK。その後、クリームを塗って完了である。初めは、水を使わない洗顔に疑念しかなかった・・・汚れが落ちている気がしない・・・ただ、寒い冬に水で顔を洗わなくて済むのは便利である。

ガルニエのミセラーウォーター

ビオデルマのミセラーウォーター

ミセラーウォーターとはなんぞや?という人にはビオデルマの公式サイトが詳しい。

なぜドイツの水は硬水なのか

一連の硬水対策で感じたのだが、フィルターを設置したり、ヘアケアアイテムを揃えたりと、やたらとお金がかかるということである。インフラの問題なわけだから、市で浄化システムなんかを作れないものだろうか・・・と周りに同意を求めるも、「そういうもんだよ」と諭される。硬水は地質が関係しているというから、そう簡単には変えられえないのだろう。同じヨーロッパでも、スウェーデンでは水道水を飲んでも全く調子が悪くなることはなかった。

ドイツはなぜ硬水
各地の硬水度が分かるマップ。https://wassertipps.de/en/mapより

実際に硬水の硬度を表したマップを見ると、北欧はグリーンになっており軟水であることがわかる。一方でドイツも地域によって、軟水だったり硬水であることがわかる。ベルリンは硬水を示す赤で埋もれてしまっている。

ヨーロッパの暮らしはもっと楽なもんだと思っていたが・・・硬水なだけになかなかハードである。