仰天!ユダヤ教に改宗した謎の経歴を持つ日本人とは?

ひょんなことで出会ったユダヤ教に改宗したというお姉さん。当時は、神学をやるにはもってこいの、別の言い方をすれば、一部では右派勢力の温床とも呼ばれる大学でユダヤ神学を勉強していた。

彼女とは共通の日本人の友達を通じて知り合った。そしてイスラエルで出会った中で一番のツワモノと思える方であった。

なにせ、勝手に彼女の経歴を書いていいものかどうかは分からないが、日本生まれ日本育ちの私にとってはとにかくたまげる程の驚く経歴だ。大まかにいうと中学生以来スペイン、エジプトやイエメンと言った中東諸国で育ったということで、スペイン語、アラビア語が堪能だ。しかもこのイスラエルでは市民権を取ってすでに6年も住んでおりヘブライ語も完璧だ。

本人が言うように彼女は、

「他の日本人で改宗した人とは違う」

考え方と持っていた。

改宗した人というと、神が全てとでもいうかのようにユダヤ教にすっかり入信してしまっているのだが、彼女はもっとそうした宗教的なものに距離を置いて物事をみているような人であった。

なぜ改宗したのかとその経緯を聞いてみると

「改宗は目的じゃなくて手段だったんですよ。ユダヤ教に興味があって勉強をしていたら、じゃあついでに改宗もしてみようかって」

ついで!????そんなコンビニに行くがてら郵便出してこよう的な感覚で改宗っててきでるのか?

しかしその次に彼女が言ったのは

「でもやっぱり改宗なんてしない方がいいですよ。時間の無駄です!私なんて改宗しちゃって後悔してますもん」

という爆弾宣言は、私のユダヤ人になれるなんて面白そうと淡い改宗へのあこがれを見事に砕いた。

自称「ガリ勉」と自嘲気味に言う彼女であるが、普段の生活を聞いていると並々ならぬほど勉強していているらしい。“真のユダヤ教徒”になることが目的ではないというものの、外見はさすが改宗してあるだけあって、敬虔なユダヤルックスを実践している。

長いくるぶしだけのスカートに、長袖と中身だけでなく外見もさすがユダヤ人の女性ルックスだ。外見だけではなく、きちんと戒律もきちんと守っているため豚も口にしないし、肉類と乳製品を一緒に食べることもない。コーシェルというユダヤ教の食事規定をきちんと守っているのだ。本人は、

「長崎生まれなんだけど、もうちゃんぽんがたべれなくなっちゃったのよねー」

と陽気に言う。

「でも、生魚でもいろんなものを食べる日本人が、食事規定だからといって食べれないものがでてくるのは大変じゃないですか。どうしてそこまで神に入信しているわけでもないのに、そういうものに従うんですか」

と聞くと

「私、自分が一度言ったことを曲げるのがいやなんですよ。」

信念の重みつえー!

改宗のプロセスでは最後にラビの前でユダヤ教に忠誠を誓うという最後の関門がある。そこで、ユダヤ教の習慣を守るという類の宣誓をしたらしい。ユダヤ教徒としてふるまうために規定を守るのではなはなく、自分の信念を貫くためにユダヤ教の規定を守っている。そんなワンピースでいうルフィのような、少年マンガ的強い信念を持った人に出会ったのは初めてだった。

世界にはまだまだ面白い日本人がたくさんいる。そしてそういう人たちと日本人というだけで仲良くなったりできる。

実際イスラエルにいる日本人の数は他の韓国や中国に比べ圧倒的に少なくお互いに情報交換や助け合ったりして生活しているケースが多い。そうした中でこうした日本人に会えるということはやはり不思議な国イスラエルであると実感した。

今のところ、彼女は人生で出会った人の稀有な人ランキングのトップに君臨している。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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