クーラーなし40度超え!ドイツ史上最高気温を叩き出した日

今年は夏がやってきたな〜とのんきに構えていたら、なんか流石に暑いぞ。ジムに行ってもやたらと汗をかくし、人もまばらだ。何かがおかしいと思って、天気予報を見たら週末の最高気温予想がなんと40度!

40度・・・?

わーい\(^o^)/

私は寒いのが大の苦手だが、暑さにはもっぱら強い。なぜなら暑さトレーニングを積んでいるからである。ドバイに住んでいた時、炎天下の中ひたすら歩いてみたり、気温45度の日に動物園に行ってみたりしたことがある。人からすれば異常行動以外の何物でもないが、私にとっては確固たる思い出と自信になっている。

話を戻そう。どうやらドイツだけでなく、ヨーロッパ全土に熱波が襲来しているらしい。ひと足先に熱波を食らったフランスでは、猛暑で苦しむ人々の映像がニュースで映し出されていた。この熱波が東へと移動するので、次なるターゲットはドイツである。さて、どうなるのか。

相次ぐイベント中止、休業する飲食店

異常な暑さがやってくる・・・未知なる恐怖に恐れをなしてか、屋外で開催が予定されていたイベントの一部が中止となる事態に。そして、暑すぎるという理由から、臨時休業する飲食店も。

そもそも暑すぎると、皆外に出ないらしい。クーラーがない電車は天然蒸し風呂になっているし、店にやってきたとて、クーラーがあるとも限らない。夏の飲食店といえば、オープンテラスを占領する人々が風物詩だが、流石に暑すぎるとテラスどころではないらしい。

そう。ドイツをはじめヨーロッパにはクーラーがついている場所がそもそも少ないのである。クーラーがない店では、扇風機を3台稼働させ、店員が扇風機の前をひたすら陣取っているという光景も見られた。

扇風機と旅する男

ドイツ人の友人が我が家にやってきた時のこと。私の家に、クーラーも扇風機もないことを事前に確認し、彼はわざわざ自宅から全長40センチほどのコンセント付き扇風機を持参してきた。

リビングルームからダイニングルームへと場所を変えながら話していたのだが、人間だけでなく扇風機も一緒に移動するのである。そして、自分に十分な風があたるよう、ベスポジを都度調整し、一瞬たりとも風を浴びるのをやめない。

そんな彼のもと、扇風機も過酷な労働を強いられているらしく、ガガガという変な音を発していた。明らかに過労死寸前である。会話の邪魔になるぐらいうるさいのだが、彼はお構いなく話し続けた。

湖に押し寄せる人々

暑い、クーラーがない、となれば人々がやることは1つ。水場で涼を取るである。泳ぐのにこれほどぴったりな日はないということで、私と友人は湖に向かった。

ベルリンは内陸部なので海はない。よって、泳ぐ場所といえば、湖なのである。もちろんプールもあるが、数から言って湖の方が多いし、何より自然愛好家なドイツ人たちにとっては、湖で泳ぐことは夏の恒例行事らしい。


湖に入るための行列。ここは管理下にある湖のためか、入場料が発生した。もちろん現金オンリー。


砂浜もちゃんとある。そして監視員もいる。


湖の家で定番?のフライポテトとカレー粉がかかったソーセージ(ベルリン名物のカリーヴルスト)


湖なので白鳥もおり、気が向くと人間の近くまでやってくる。親子で泳いでいるのが微笑ましい。深いところでは水深が2メートル以上にもなる。

海よりもプールよりも、湖は快適だった。水はやや濁っているが、ベタつかないし、砂もサラサラである。何より、白鳥と泳げるのがいい。

猛暑日にラーメンという狂気

ベルリン最高気温を叩き出したこの日、先の友人がラーメンのポップアップ出店を予定していた。

このクソ暑い日にラーメンて・・・

猛暑に対するドイツ人の反応からして、暑い日に熱々のものを食うなんて、狂気でしかないだろう。

「今日はラーメンじゃなくて、そうめんの日だよ」

などと言ってみるが、本人としてはここまでせっかく準備してきたのだから・・・という思いもぬぐえないらしい。「冷やしラーメン 作り方」などと検索しているあたり、まだラーメンを諦めていない。

というか冷やしラーメンは、もはや冷やし中華じゃないのか?

結局、暑さという理由で来るはずだった客のキャンセルが相次ぎ、結局中止となってしまったそうな。

中東という蜃気楼が現れる

夕方、湖からの帰り道。猛暑の時間も残りわずか。いつもは人で賑わう私の近所は、しんとしていた。人の影は見当たらない。ただ熱波で、緑が揺らめいているだけである。

暑さに意気消沈する人々とは対照的に、私は冒頭の通りテンションブチアゲな日だった。

猛暑がこんなに嬉しいなんて・・・

といえば、気が狂ってると思われるかもしれないが、40度という気候は私にとって青春の気候なのである。

むわっとする熱気が顔をなでる。すると、10年近く過ごした中東やアフリカのいろんな思い出が蘇ってくる。ドバイの砂漠、ジェッダの海辺、メッカでの巡礼、ソマリアの青空、パレスチナの難民キャンプ・・・

ああ、自分は今中東にいるんだ。


ベルリンの陽炎に中東を見出す・・・

結局この週末、ドイツでは史上最高の41.7度を記録した。

ドイツにいる人からすればこの暑さは、迷惑この上ないだろうが、私にとってはヨーロッパにいながら中東を味わえるという神秘的な体験でもあった。

夜のニュースでは、街頭インタビューで「この暑さについてどう思うか?」と聞かれ、「我々人間のせいでこうなってしまったんですよ」と懺悔するおじさんがいた。感じ方はそれぞれである。

週末が明けると気温がまた下がり、私はベルリンにいた。一瞬、自分がどこにいるのか、わからなくなった。

あの猛暑の日、私は確かに中東にいたのだと思う。