人気ロックバンドBAND-MAIDメンバーとご対面

ベルリンで行われるBAND-MAID(バンドメイド)のコンサートに行くことになった。誘ってくれたドイツ人知人がメンバーと知り合いなのだという。

ベルリンのテクノクラブにはよく行くが、日本のロックはよく分からない。けれども、行ったら行ったで何か楽しいことがあるだろう、という軽いノリで行くことにした。

しかし、よく調べるとどうやら日本でも海外でも大いに人気を博しているという。コンサートのチケットがなかなか取れず悲しむ声もネットにはちらほら。

コンサートに行くのに一曲も知らないのはまずいだろう、ということで前日にYouTubeで曲を予習する。

「ダメだ・・・楽器の音が大きすぎて歌詞が全然入ってこねえ」

こうして知識ゼロのまま、コンサート当日を迎えることになった。


会場となったコロンビアシアター

ベルリン=テクノだと思っていたので、ロック愛好者に囲まれる空間は新鮮だ。音楽ジャンルが違えば、客層も動きも異なるようで。なるほど、ロックはひたすら頭を上下させて小刻みに動くのか・・・などとその辺のロック愛好者たちの動きを真似て、体にロックを覚えさせていく。


高身長が多いドイツ人ファンが多いためか、肉の壁しか見えない


肉の壁を超えて前に進むとようやくメンバーが見えた

こういうアイドル系のコンサートだと、メンバーの名前が飛び交うものだと思っていたが、ここではそう多くない。彼らがアイドル系として売り出していないからなのか。それとも純粋に誰推しとかではなく、ロック音楽として楽しんでいるファンが多いからなのだろうか・・・

とは思いつつも、英語、ドイツ語、日本語を交えたトークコーナーは大盛り上がり。「お給仕はショートブレイクぽ!」などという独特の日本語を連呼しているが、客たちは関係なしに盛り上がっていた。なるほど、ライブを「お給仕」と呼ぶのか。


コンサート中でも、外に出ればビアガーデンで一息つけるというシステム。会場内でもビールが飲める


コンサート終了後の会場の様子

コンサート終了後、楽屋へメンバーに会いにいくことになった。といっても私が単独で会えるわけでもなく、メンバーの友人だという知人に付き添うだけである。

赤の他人なのにいいのかな・・・?

人気バンドということで厳重なる警戒体制?が敷かれており、我々はバックステージで「ここで待っててください。メンバーの準備できたらお呼びします」と日本人スタッフに言われた。

なんだか刑務所の面会みたいである。

「はい準備ができたのでどうぞ〜」と言われ、メンバーがいる楽屋へと案内される。ドイツ人知人の登場にメンバーたちは色めきたっていた。もちろん私は赤の他人なので、海の中でゆらめく海藻のごとくその場で成り行きを見ているだけ。こういう時、私は自分が関西のおばちゃんだったらと思う。

「XXちゃん、すごく良かったよ〜!海外ではXXちゃんが一番人気だからねえ」

おいおい、それは流石にまずいだろう。はっきりと物事を言うドイツ人気質のせいか。メンバー全員がいる中で、特定のメンバーが一番人気と言ってのけてしまう豪快さ。

雰囲気が一瞬ピリついたような気もしたが、常に誰かと比較されるのが当たり前の世界だからだろうか。メンバーたちは、次の瞬間には笑って流していた。

「すみません!もう移動の時間なんで」

10分もなかっただろう。部外者である我々は、慌ただしく退散を迫られた。メンバーたちは次の都市を目指してこれから移動するという。

コンサートの発表でもあったが、BAND-MAIDは1年間の活動休止に入るという。私はバンドのことをこれっぽちも知らないが、実際に彼らに会って感じたのは、彼らの肩には一般人が知り得ぬ相当な重圧がかかっているのだろう、ということだった。

謎の受刑者といい、日本の人気バンドメンバーといい、海外にいるとひょんな出会いがあるものだ。