隠れ家的ステイ!イスファハンで絶対泊まりたいブティックホテル

イスファハンといえば、世界の半分とも言われるイマーム広場をはじめとし、多くの美しい歴史的建造物にあふれた街である。

そんなイスファハンでの宿泊先を決める際に、ダントツ有名なのが「アッバシーホテル」だろう。約300年前にサファヴィー朝第9代王のフサインが建てた、キャラバンサライやマドラサなどの複合施設を改築したホテルだ。

イスファハンの観光客の間では、とりあえずココというのが通例だった。けれども、その通例に一石投じたい。

今回紹介するのは、「ガスル・モンシ・ホテル」である。

当ホテルは18世紀末から20世紀初頭に至るまでに現在のイランにあたる地域を支配していたガージャール朝時代に作られた建物をリノベして作られたホテルだ。オープンしてまだ1年にも満たないというが、すでに多くの宿泊客から高い評価を得ている。

何がいいって、「おもてなし」の精神がすごいのだ。確かに巷では、旅人に異常なまでに親切で有名なイラン人であるが、まさにそんなイラン人のホスピタリティがぎゅっと凝縮している。

「この後、あそこに行こうと思っているんだよね〜」と話すと、「もうすぐシフト終わりで家に帰るから、車で乗せていくよ」といった具合である。ちなみにこのスタッフは、イランのもこみちといっても過言ではないくらい、スタイルも顔もこみちに激似だった。

さらにおすすめポイントは料理。イランのホテルは何かと食事のバラエティが少なく、見た目は高級ホテルに見えてもとにかく食事がしょぼかったりする。


ステンドガラスが美しいホテル内のレストラン

けれどもこの店で提供されるのは、イランの家庭料理がメイン。ホテルオーナーのおばあちゃんレシピが元になっているという。普通のレストランでは見たこともないようなイランの家庭料理が楽しめるのだ。


イランの家庭料理が楽しめるブッフェ形式のディナー。見たこともない料理に興味津々

ニューヨーク育ちでイランに舞い戻ってきたというホテルのオーナーは、とにかくホスピタリティにあふれている。ニコラス・ケイジのような渋さがありつつも、知性に飛んでいて話していて楽しい。

レストランの料理について聞いても、細かく教えてくれる。ホテル経営をする理由を尋ねると、「金のためじゃない。イランの文化をもっと多くの人に知ってほしいからだ」という。

実際に売り上げの20%はがんで苦しむ人々への寄付にあてているのだという。なんだこの粋な人間は。市民のほとんどが金のために住み、金、金うるさいドバイでは見かけないタイプの人間である。


シンプルながらも清潔感にあふれた室内

4つ星ホテルだけども、サービスは5つ星。ホテルだけれども、「客」と「スタッフ」の枠にはまらない、心地よいローカルの人々との距離感がある。

イマーム広場は世界の半分といったものだが、このホテルにはイスファハン旅行の半分がつまっているといっても過言ではないだろう。イスファハン滞在をより楽しくするためにもらった旅のアドバイスと彼らのホスピタリィティには感謝してもしきれない。

ガスル・モンシ・ホテル(Ghasr Monshi Hotel)
Esfahan, West Ghasr Monshi Alley, Neshat Str
イマーム広場まで徒歩10分。ハージュ橋まで徒歩30分ほど。
シングルルームは1泊70ユーロから。米ドルでも支払い可能。
予約は公式サイトから。

イラン旅行のおともに

イラン出身の吉本芸人が書いた本。イランについてこれほど面白く、軽やかにかいた本を他に知らない。イラン人が面白すぎるというより、この本が面白すぎる。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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