人情あふれる町!知られざる観光スポット、シャルジャとは?

シャルジャは、アラブ首長国連邦(UAE)で第3の規模を誇る首長国である。しかし、どういうわけかドバイやアブダビの存在が強すぎて、彼らの陰に隠れてしまっている。UAE観光においては、ほとんど日の目を見ることはない。

現時点におけるシャルジャの立ち位置は、ドバイの”ベッドタウン”である。あくまでドバイのオマケみたいな扱いだ。しかし、シャルジャにはドバイにもアブダビにもない良さを持っている。

そんなまだ注目されていない主張国、シャルジャについてご紹介したい。

美しいドームの内装は必見!イスラームについて学ぶ

UAEの中でもとりわけ芸術や教育に力を入れているのが、このシャルジャだと言われている。それを象徴するのが、イスラーム文明博物館(Museum of Islamic Civilization)だ。この博物館、何がすごいかって、とにかくイスラームに関することを全方面からカバーしていることである。

宗教としての歴史はもちろんのこと、イスラームの技術や建築、芸術など、イスラーム関するありとあらゆるテーマを扱っている。イスラームに関する本1冊読むのと同じぐらい、この博物館にはイスラームに関する知識がつめこまれている。


最上階にあるザ・ドーム

全部じっくり見て回れば、数時間以上は経ってしまうだろう。館内を見終わったら、ぜひとも最上階のザ・ドーム(The Dome)を訪れることをおすすめする。おそらくほとんどの観光客は、気づかずにスルーしているであろうこの場所。星座が描かれた美しいドームの装飾を独り占めできる。

開館時間
土曜から木曜 8時〜20時
金曜 16時〜20時

入場料
大人:AED10(約300円)
子供:AED5 (約150円)

公式サイト
http://sharjahmuseums.ae/

 

アラビアンな迷路へ迷い込む?ヘリテージ・エリア

シャルジャ観光で外せないのが、ヘリテージ・エリアだろう。美術館や複数のスークが併設しており、アートとショッピングが同時に楽しめるエリアだ。

ドバイにもバスタキヤ地区と呼ばれる、UAEの伝統的な建物が並ぶ地区がある。しかし、バスタキヤ地区よりも観光地化していないのが、シャルジャのヘリテージ・エリアの特徴だ。

アラブっぽい古典的なお土産から、ハイエンドなセレクトショップまでとにかく見ていて飽きない。

この地区では、毎年アートイベントが開催されており、2016年にはシャルジャ・アート・ファウンデーション・アート・スペース草間弥生展が開催されている。

UAEの文化について深く知る、シャルジャ・ヘリテージ博物館

UAE文化について、詳しく知りたい!という人であればこれほどぴったりな場所はないだろう。それが、ヘリテージ・エリアにあるシャルジャ・ヘリテージ博物館(Sharjah Heritage Museum)だ。こじんまりとした簡素な作りからは想像し難いが、展示物は意外にもしっかりと作り込まれている。

伝統的な暮らしの紹介は、ドバイの博物館でもよく見かけるが、UAE人の死生観やUAE人がタブー視するものなど、とにかくUAEに関する情報が豊富に紹介されている。

個人的には国内で一番ためになる博物館だと思っている。

開館時間
土曜から木曜 :8時〜20時
金曜:16時〜20時

入場料
大人:AED10(約300円)
子供:AED5 (約150円)

公式サイト
http://www.sharjahmuseums.ae/Our-Museums/Sharjah-Heritage-Museum.aspx

お土産をリーズナブルにゲットするならココ!

一般的にドバイ土産として紹介されているものであれば、シャルジャで買う方が断然お得だ。それにドバイほど観光地化していないので、押し売りされる心配もない。

シャルジャのお土産スポットとして有名なのは、セントラル・スーク(Central Souq)だろう。とにかくドバイに比べるとものが安い!湾岸諸国の女性が来ているアバヤは、ドバイのモールで購入すれば安くても一着あたり3万円以上はする。


セントラル・スーク

しかし、シャルジャのマーケットであれば、3,000円程度だ。気軽にアラブグッズが購入できる最適な場所である。ジュエリーや時計、スカーフなども一通り揃っている。

デーツやチョコといった食品系であれば、アル・ジュバイルバスターミナルの向かいにあるスーク・アル・ジュバイル(Souq Al Jubail)がおすすめだ。ナッツやデーツなどUAEのお土産の定番が一通り揃っている。

バラ売りで購入できるUAE産のデーツチョコ。店員の気分によっては試食もできるので、味を確認してから購入もできる。こうしたバラ売り商品は、空港といったお土産を購入する定番の場所では見かけないものばかりである。

デーツ屋にはなぜかサウジアラビアのデーツも。その他には、UAE産やサウジアラビア産のコーヒー豆なども販売しており、ドバイの土産物売り場ではあまりお目にかかれないものばかりである。

場所
セントラル・スーク、スーク・アル・ジュバイルともに、アル・ジュバイル・バスターミナルから歩いて10分ほどの場所にある。

開館時間
セントラル・スーク
土曜から木曜 10時〜22時半
金曜 17時〜22時半

スーク・アル・ジュバイル
土曜から木曜 6時半〜22時半
金曜 6時半〜11時半、14時〜22時半

ファルコンから犬まで!動物好きにはたまらないアニマルマーケット


観光地として紹介されることはあまりないが、現地の人々の生活を垣間見れるのがこのアニマル・マーケットである。バスターミナルから徒歩15分ほどの場所にある。

簡単に言えば、ペットショップなどに売り出される動物たちを卸売する場所だ。とにかく品揃えがすごい。我々にもおなじみのペットから、鷹、オウム、亀などとにかくありとあらゆる種類の小動物たちがいる。

またイスラーム色が濃い場所でありながら、犬もいる。そしてそれを取り囲むアラブ人たち。番犬や猟犬であれば、不浄の犬とはみなされないため、そうした名目で購入するのかもしれない。

イスラームと現代アートが融合したライティング・フェスティバル

毎年2月に2週間ほどシャルジャで開かれるのが、ライティング・フェスティバル。このフェスティバルのために、国内外から観光客が訪れる。シャルジャ首長内にあるモスクに、国内外のデザイナーが手がけたプロジェクトマッピングが映し出される。その美しさに圧巻だ。

UAEのモスクといえば、アブダビにあるシェイク・ザイード・グランド・モスクが有名だが、こうした現代アートとコラボしたモスクも一見の価値は十分にある。


Sharjah Lighting Festival公式サイトより

公式サイト
https://www.sharjahlightfestival.ae/en/

シャルジャ観光で注意したいこと

ドバイに隣接しているシャルジャだが、観光の際には気をつけたい点がある。金曜日はイスラームの休日だが、ドバイの観光施設はどこも通常通り営業している。また、お酒もホテル内のレストランなどであれば飲むことができる。イスラーム教の国だが、ドバイに関しては戒律はかなりゆるい。

一方でシャルジャは、イスラーム教色が強い主張国だ。ホテル内であってもアルコールが提供されることはない。また、博物館などの観光施設は、金曜日は午前中は休み。夕方からオープンする。

また金曜日以外であっても、昼の礼拝時間にはお店が閉まるので注意(シャルジャは個人商店が多い)。個人商店の店は、朝の9時から午後1時半。昼休憩を挟んで16時半から23時まで営業というのが一般的なスタイルだ。インターナショナルな都市、ドバイとは違いイスラーム教色がより濃いのがシャルジャである。

またドバイではメトロがあるが、シャルジャにはメトロがない。町を歩いて散策することもできるし、タクシーで効率よく回ることも可能だ。

なぜシャルジャに行くべきなのか?

ドバイやアブダビに注目が集まっている分、ほとんどの観光客にとってシャルジャはほとんどノーマークだろう。しかし、実際に街を歩いてみると、素朴な人々や町が出迎えてくれる。なんだかほっとする場所なのだ。

それに、買い物をすれば断然シャルジャの方がお得だし、町の人々とおしゃべりをしながら買い物をするのも面白い。

モスクがあちこちに点在しており、博物館も多くあることから、イスラームやUAEの文化について知りたいという人には、ぴったりな場所だ。ドバイからも日帰りで行ける気軽さもポイントだ。

シャルジャへの行き方

ドバイのユニオン駅もしくはアル・グバイバ駅バスステーションからバスに乗って約20~30分。バス料金は大人AED7(約150円)。タクシーの場合は、ドバイからシャルジャに行く場合AED20(約600円)がチャージされる。タクシー代はチャージ料金も含めおおよそAED40(約1,200円)。

シャルジャ観光マップ

バスターミナルからイスラーム文明博物館までは歩いて30~40分ほど。涼しくなる11月から3月は歩いて回ることも可能だ。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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