さようなら2017年。そしてこんにちは2018年。

2017年は異常だった。なにせ1年が366日と14時間9分もあったからだ。1年が365日だということは周知の通りだが、別に気が触れて異次元をさまよっていたわけではない。

2017年下半期のスローガンは、「ソマリア旅行本を出版せずして2017年は終わらない」だった。2016年から2年連続で南部ソマリアとプントランドを旅行し、どうしてもそのことを残しておきたかった。「出版」というと大げさに聞こえるかもしれないが、簡単に言えば素人がよくやっているあの電子書籍出版というやつだ。


誰に頼まれたわけでもなく、ソマリアのためでもなく、ただ単に自己満のための出版だ。もちろん売れるものだとは思ってもいないし、誰も読まないだろうと思っている。それならなぜ出したんだ?と思われるかもしれないが、単にソマリアを旅行できる、という事実をAmazonの片隅で掲げたかったからに過ぎない。

そんな個人的な己の満足のためだけに、仕事以外の時間をすべて本を書くという作業に費やしてきた・・・と書くとカッコよく聞こえるが、しょせんは素人の趣味である。2017年4月のプントランド旅行直後にある程度書き残してはいたが、その後放置。10月頃になり、そろそろやんなきゃやべえ・・・と焦り始める。その時点で、本を書くということがいかに労力のかかる作業か、ということがだんだん見えてきて、終いには2017年中に書き終わらない!という絶望的な事実に気づくハメになったのだ。

クリスマスに欲しいものは「時間」。というもはやサンタさんでもどうしようもない無形物を欲しがるほど、切実な状態だったのだ。

もはや2018年にこの作業を引きずりたくない!という一心のみで、ボロボロになりながら進める。気づけば、なんと額に白髪が果て生えていたぐらいだ。「福毛」と呼ばれる縁起の良いものだとは知らず、奇怪な現象におののいた私は素早く白髪をむしり取った。周りには髪の毛なんてないのに、なぜ白髪が・・・幼稚園児の中におっさんがいる光景と同じく、あるはずのないものがそこにある・・・不思議な感覚に包まれる。

そうして額に白髪を育成しながら、本の出版が完了。それが2018年1月1日14時10分だったわけである。それまではひたすら2017年と格闘していたのだ。カウントダウンで町がお祭り騒ぎになろうが、ドバイのバージュ・ハリファのライトアップショーのため6時間以上も待機したのに、そのちんけさに人々が憤慨していようが、一向にお構いなしだ。

それにしても、14時10分以後はなんと清々しい時間だったのだろう。まさしく大学受験を終えたあの感覚に非常に類似している。今までやりたいことを我慢して、受験に挑んできた。それが、いまや何でもできるのである。自由と時間を手にした!というあの絶対感。もはやスーパーマリオが無敵になった時のごとく、私は狭い部屋の中で一人叫び、飛び跳ねた。

そんなわけで無事に2017年とバイバイしたわけだが、次に待ち構えるのは2018年。新年に目標を立てる人は多いかもしれないが、個人的にはこの目標立ての効用をあまり信用していない。むしろ、おすすめなのは目標ではなく、やりたいことを書き出すという作業だ。しかも100個。

これは、学生時代にインターンをしていた会社での話である。毎朝、社員が全員の前で朝礼&スピーチをする儀式が敢行されていた。いかにも日本的・・・。そう、あの頃はガチガチの日系のベンチャーで働いていたので、今からすると摩訶不思議な習慣がよく見られた。それでも、日本的に働くとはどいういうことなのか、が垣間見れてよかったとも思っている。

スピーチの内容は何でもOKで、ハマっているスポーツや顔がむくんでいる時のツボ押しなど、日常生活に役立つちょっとした小ネタもよく披露された。その中である女性社員が紹介していたのが、先の「やりたいこと100個書き出そうぜ」というものだ。

えー100個も?と思ったが、実際には100個じゃなくてもいいらしい。他人のおすすめはあまり実行しない人間なのだが、そればかりはなぜか素直にやっていた覚えがある。しかしやりたいこと100個と言ってもなかなか出てこない。45個ぐらいで苦しくなる。それでもなんとか書き出そうとすると、いちじくのパンが食べたい・・・などと日常の欲求レベルにまでだだ下がりしてしまう。

それを電車移動などの時に、ちまちまと書き足したり読み返す。誰かが見るわけでもないので、ここぞとばかりに自分の欲望をさらけ出すことができるのである。当時のやりたいことをさらすとこんな感じだ。

海外に住みたい
海外で働く
サメと泳ぎたい
イスラエルのスタートアップ企業が買収される様を見る
ユダヤ教超正統派と話したい
通勤時間を短くしたい

別にその時点では、叶うとも思っていないし、実行すらしようともしていない。けれども不思議なことに1年、そして数年たって振り返ってみると、あの時点ではで「きたらいいなあ・・・・」というレベルのものが、ちゃんと実現していたりするのである。

人生ってそんなもんなのかな・・・と思うが、それでも私は「やりたいことリスト」が何らかの魔力を秘めているように思えてならない。言うならば、ドラえもんの秘密道具にありそうな、「書くと本当に実現するリスト」みたいなやつだ。

目標のように、◯◯を1日△△だけやる!といった強制力のあるものではない。むしろやりたいことであるから、リストを見返しながら叶ったらいいなと顔をニヤニヤさせてしまう。たぶん、やりたいことを書き出すという作業によって、無意識に考えや行動がやりたい方向へ向かっていくんだろうと思う。

夢はとにかく口に出して言え!と言われるが、まさにその通りだ。その点で、漫画「ONE PIECE」のルフィなんかは、3話に1回ぐらい(多すぎ?)は「オレは海賊王になる!」と口に出して言っているので、彼を手本にしたいものである。

もちろん1年では実現できないものもあるので、そうしたものは残しつつ常にリストをアップデートしていくと面白い。これは実現した、これは来年あたりかな・・・と言った具合だ。

2017年の下半期にできなかったことがある。それを踏まえて、2018年版のリストをアップデートしている最中だ。きっと2018年はさらに面白くなることだろう。