ドバイでこんな風に働いています パート2

ドバイの都市のイメージといえば、テレビ番組でも時々紹介されるように高層ビル群が立ち並ぶ近未来的な都市のイメージを持つ人が多いだろう。一方でそんな近未来都市で働くということになると、途端にイメージがつかなくなるのではいだろうか。

そこで以前書いたドバイでこんな風に働いていますに引き続き、具体的にどんな職場で働いているのかをご紹介しようと思う。


広告代理店から事業会社へ

広告代理店をやめ、次に移ったのは不動産系の事業会社である。なぜ広告代理店から不動産系の会社なのか。大きく分けて2つある。

広告代理店の仕事は激務だ。そして常にクライアントありきである。

代理店としては、クライアントという人様のお金を動かしているのであり、当たり前のことだがクライアントの了承が不可欠である。代理店にいるとこのクライアント了承のプロセスが非常にややこしい。話のわかる人であればすんなりだが、ほとんどのケースはそうでない場合が多いため、説得や調整に膨大な時間が費やされる。

そしてクライアントのいうことには80%以上の確率でイエッサー態度で望まなければならない。クライアントが今日中といえば無理難題でも厳しい期日の中で仕事をしなければいけないため、必然的に働く時間が長くなる。

またいくらなの知れた大企業が相手とはいえ、ビジネスが進む速度が遅い。そして自身のキャリアアップにつながっているのだろうか。自分は楽しく仕事ができているのだろうか。この疑問に明確かつ前向きな答えが出せなくなったため、代理店から事業会社へ移る決断をしたのである。

一方で不動産系の会社を選んだのは、自分の意志ではない。たまたまヘッドハンターから紹介されたのがこの会社だったのである。日本で言うところのリクルートのSUUMOやCHINTAI、HOME’sといったような不動産物件を紹介するポータルサイトの運用する会社である。

業界経験は代理店時代を通してもまったくない。けれどもドバイで不動産をやるというのは面白いことなのかもしれない。何よりドバイといえば不動産といっても過言ではないほど、ドバイにおいて不動産業界は盛んなイメージがある。ドバイにいるからこそやれる、そしてドバイの不動産業界を知るのにはよい機会じゃないかということで、新しい業界に挑戦してみることにしたのである。

これぞ中東で働くという感覚?

はじめこそ、未経験の業界ということもあり、ビジネスモデル、業界用語を理解するのに苦労した。けれども今はやはり代理店をやめてこの会社で働いてよかったと思う。

当初はUAEのみを担当する予定だったが、グループ会社としてサウジアラビア、バーレーン、カタール、レバノン、エジプト、モロッコなどでも事業を展開しているため、必然的に他のマーケット事情も知らなくてはならない。つぶさに各国の様子やマーケットのトレンドを見ていくと意外なほど違いが見えてくる。

UAEはすでに多くの競合がひしめいているが、エジプトやモロッコ、サウジアラビアに関してはニーズはあるものの、まだそれに見合う供給が追いついていないようだ。つまりほとんど競合といえる競合がいない状況なのである。

チャンスにあふれ広がり続ける市場に一社の独走状態。成熟市場の日本ではまず見ることができない光景である。まるでタイムスリップして高度経済成長中の日本に戻ったようだ。これは日本にいたらまず直面できないことだろう。

そして中東のハブであるUAEの本社として、各国のオフィスの同僚たちと綿密に連携をとり、指示を出し各国の売り上げを底上げしていかなければならない。そのためには各国のマーケット事情を踏まえた上で各々戦略を練り実行していかなければならない。これはとんだ責任である。

責務や上からのプレッシャーはかなり大きいが、それでも今度ばかりは中東で働いている感を大きく感じる。うおお、これこそがドバイで働くことの意義なのかもしれない、と一人興奮を覚える。まあたまたまドバイにいるため、勝手に本社気分を味わえてしまうだけのことなのだが。

しかし一番困るのは、各国と連携をとる上で欠かせないネット通話がいまいち使えないことである。スカイプやGoogleのハングアウトといった無料のネット通話サービスはUAEでの使用が規制されているため、通信手段を確保するのに苦労する。別の通話サービスを使うもすぐに規制がかかり使えなくなってしまうということもしばしばだ。

また他国の人間と話していて、人材のレベルの高さに驚くことも少なからずある。別に国で見下しているわけではないが、それでもモロッコで同じ役職の人間がそこそこできちゃったりすると、負けてられないというライバル意識が芽生える。

一方でスペシャリストと名乗っていても、あまりにも実力とタイトルがかけ離れている場合も多々ある。きちんと指示を出し、トレーニングをしていなかければいけないという責務もある。これはこれで楽しい。幸いなことにやる気はあるので、こちらからもちかけると積極的に吸収してくれるのでこちらも教えがいがある。

オフィス環境が与える効果について考える

一方で、今度の職場はドバイにしてはなかなか先進的な職場なのではないかと思う。正直言うとドバイの職場にクリエイティビティだとかスタートアップにありがちなオープンオフィスみたいなイメージは全くなかった。しかしこの職場で働き始めてから、オフィス環境が仕事へ与える影響の大きさについても考えさせられるようになった。

例えば、会社に設置されているカフェスペースには、シリアルやパンなどの朝食、果物、ナッツなどがそろっている。


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これならば会社に来てからゆっくり朝食を食べることができる。私生活ではほとんど果物をとらないため、果物や野菜がふんだんに入った水を飲むことで代替。効果のほどは未知数だが・・・

またスタバにおいてあるようなカフェマシーンとコーヒーを専門に作ってくれるスタッフが常駐しているため、わざわざカフェでコーヒーを注文する必要はなく、いつでも美味しいコーヒーがいただける。しかしコーヒーを作るためにわざわざ人を雇うとはやりすぎじゃないか?

社内でもっとも怒らせてはいけない人物。それがこの男である。怒らせては美味しいコーヒーにありつけないからだ。

しかしコーヒーの味は一流だ。キャラメル、バニラ、シナモンなどと逐一コーヒーのフレーバーを変えて楽しむのが最近の趣味である。メニューも豊富。もはやスタバへの投資額がゼロになることは間違いない。

また我ながら雇われている会社にいうのもなんだが、受付嬢がイギリス女子なのである。ドバイにおいては通常給与が安くて済むフィリピン人を配置するのが常だがなぜか高給取りそうなイギリス女子なのである。

なんと金の無駄遣いなのかと思ったが、会社の顔として英国式の英語を話す受付嬢を置いて会社のイメージアップをはかるという意図があるのかもしれない。


本人の顔出しNGのため図形で再現。クレア嬢はちょっと太めで、いつも推定8センチはあろう高いヒールを履いている。

さらにビリヤードやゲームコーナーもあり、休憩時間には仲間たちと遊ぶこともできる。

そしておきまりの誕生日会。ドバイだとどの職場でもたいがい誕生日はケーキでお祝いをするものらしい。

自然の緑が極端に少ないドバイにおいて、オフィスに緑があることは貴重。そんな緑を讃えるかのようになぜかオフィスにはスポットライトが設置されている。

人生の35%の時間を過ごすと言われている職場であるが、オフィス環境が違うだけで人付き合いや会話の生まれる量が異なるということをしみじみ実感する。

実際に自分の仕事の効率を数値化することは難しいので肌感覚であるが、少なからず仕事の効率や楽しく仕事をできることにもつながっているのではないかと思う。

さあ中東のマーケットを制覇するぞ。本腰入れてドバイで仕事を楽しめるようになった3年目。