ペットのチーターは私の子ども。独身アラサーとチーターの暮らしとは?

中東の金持ちのペットとといえば、チーターやトラといった猛獣を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。金があるのだから他人と違うことをすることで、自分のステータスを見せつけたい。その一人が、クウェートに住む32歳のお嬢、シャハド嬢である。ちなみに独身。

ペットのチーターにアイスをあげようとするがそっぽを向かれるお嬢 (Middle East EyeMeet the Kuwaitis who live with their pet cheetahsより)

かつては犬や猫を飼っていたというが、ある時からもっと大きいペットを飼ってみたくなったのだという。「トラを飼うことが6歳からの夢だったんだけれども、トラって重いしでかいし、ソファで一緒にテレビを見るとなるとなかなか大変でしょ。だからチーターの方がいいんじゃないかって思ったの」

トラを飼うことを6歳から夢見るという時点で、ぶっ飛んでいるお嬢である。我々からすればトラもチーターも猛獣という点では同じに見えるが、お嬢はペットとしてのチーターとトラとの違いを分析する。ちなみにチーターにかかる1ヶ月の食費は約350ドルだという。


ベッドでまったりタイム (Middle East EyeMeet the Kuwaitis who live with their pet cheetahsより)

「ペットのチーターは私にとっては子どものようなもの。子どもを持つぐらいだったら、チーターの方がいいわ」とはっきりのたまうお嬢であるが、日本でもペットの犬に服を着せかえて、ベビーカーに入れて移動する人々がいることを考えれば、その感情は日本人にとって理解し難いものではないだろう。チーターとはいえ、お嬢にとっては猫を飼っているような感覚なのだ。

そんな独身お嬢の悩みは、なかなか恋人ができないことである。普段はチーターをケージに入れているとはいえ、時々は、ソファでごろりと一緒にテレビをみたい。そんなお嬢とチーターに加わって、一緒にソファでテレビをみたいという男性を見つけるのは至難のことだろう。お嬢がそれなりの美貌の持ち主だとはいえ、チーターと一緒にテレビを見るのはハードルが高い。


お嬢の香水コレクションに興味津々なチーター (Middle East EyeMeet the Kuwaitis who live with their pet cheetahsより)

お嬢の暮らしに水をさすようだが、チーターやライオンといった猛獣をペットとして飼うのはいかがなものかという疑問もある。お嬢によると、ペットのチーターはアフリカから違法に密輸入している業者を通じて約3,000ドルほどで購入したのだという。クウェートでそうした猛獣を個人で飼うことは違法とされているが、コネを通じてもみ消すケースがお嬢のような例である。

金持ちがみせびらかしのためにトラやチーターを飼う資産家が後を絶たないということで、UAEでも2017年1月に個人での猛獣の飼育を禁止する法令を出している。

下記はドバイの観光地でもあるビーチで、猛獣たちが海水浴を楽しむ様子を撮影した映像。

金さえあればなんでも買えるし、なんでもできる。石油でいきなり金持ちとなった湾岸諸国の成金たちは、新興国ゆえに規制が行き届いていないことにかこつけ、ありとあらゆる方法を使ってその資金力を見せつけようとする。中東の金持ちの行動がぶっとんでいるという印象を日本人が受けるのも、その規制のなさゆえなのかもしれない。

参照記事:Middle East Eye Meet the Kuwaitis who live with their pet cheetahsより

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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