カタールの国交断絶。カタール航空便はどうなる?市民への影響は?

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、バーレーン、エジプト、リビア、モルディブがカタールとの国交を断絶することを5日発表した。

以前からカタールとその他の湾岸諸国との間には、政治的な亀裂があったようで政治的な動向を追っている人間にすればこのような国交断絶は、予測し得たものであろう。


けれども湾岸諸国に住む一般市民にとっては寝耳に水で、その突然の動きに動揺が隠しきれない。私もその一人である。「カタールへの広告出稿を止めろ!」それが、私にとっての国交断絶に関する第一声であった。

お気楽なドバイ市民にとっては、ある日突然、カタールとUAEが日本と北朝鮮のような関係になってしまうようなもので。いきなり国交断絶て・・・子どもの絶交じゃないんだから。と思いつつそれに伴う影響を受けるのはいつも市民である。

特に6月下旬にはカタール航空で帰国する予定なので、その動向が気になってしょうがない。国交断絶という重大性を考えれば、私のフライトなんてさしたることではないものの、やはり多くの市民が気にしているのは流動性への影響、生活における心配なのである。

国と国がいきなり国交断絶するとどうなるのか。そこで、5日までに判明している国交断絶による影響をまとめてみたい。

カタール市民は14日以内に国外退去

国交断絶を言い渡した、サウジアラビア、UAE、バーレーンなどに在住するカタールの外交官は48時間以内に国を去らなければならない。まるで海外ドラマの「24」ならぬ「48」である。一方で外交官以外のカタール市民はというと14日間の猶予が与えられる。

すでに国交断絶を宣言した国の各航空会社はカタールの首都にあるドーハ空港への運行を欠航しているため、空の門は狭くなるばかりだ。そうした場合には、国交断絶を宣言していない別の近隣諸国を経由してカタールへ戻る必要がある。

しかし面白いのは、サウジアラビアは国交を断絶しておきながらもカタール市民が、イスラム教の巡礼のため同国を訪れることは現時点では禁止していない。サウジアラビアは、引き続きカタールからの巡礼者に関しては巡礼のサービスや施設を提供する方針だとしている。

空の便への影響は?

ドバイのエミレーツ航空、ドバイのLCC航空会社フライドバイ、アブダビのエティハド航空、エアアラビアなどがすでにUAE、カタール間の運行を中止すると発表。

BBCによると、カタール航空はすでにドーハ、サウジアラビア間へのフライトをすべてキャンセル。フライトを予約していた乗客に対しては、全額返金もしくはカタール航空が運行する別の目的地までのフライトを無料で再予約できるようにする方針だという。

現時点ではサウジアラビア以外の国交を断絶した国へのフライトの行方は明らかになっていないが、同じような対策がとられるだろう。

ドバイからカタール航空が利用できなくなってしまったら?

ドバイに住むいち市民の見解としてとらえていただきたいが、カタール航空がドバイから使えなくなると今後も非常に困る。5日時点では今後の方針は明らかになっていないが、カタール航空がトランジットを含めたドバイ発着の運行もとりやめた場合以下のようなことが考えられる。

カタール航空は、エミレーツ航空よりも航空代金が安い。日本への往復チケットでいえば、カタール航空であれば770ドルなのに対しエミレーツ航空では1,000ドル以上というのが相場。200ドル以上の差はでかい。しかもカタールであれば、ドバイから小1時間ほどでいけるので、そんなに遠回りにならずプラス数時間で安く日本に帰れることができるのである。

さらにカタール航空はサービスも非常によく、個人的にはエミレーツよりも、値段がリーズナブルでサービス力があるカタール航空の方が好きである。カタール航空というオプションがなくなってしまうと、私だけでなく多くのドバイ市民が必然的にエミレーツ航空、その他の航空会社へ流れるであろうが、フライトの多さや利便性を踏まえるとその多くはエミレーツ航空になるだろう。

つまりやや高いエミレーツ航空を選ぶか、多少の遠回りをしてカタール航空と同様かそれより安い値段になるか、ということになる。これを受けてエミレーツ以外の航空会社がドバイからの便を増やしてくれたりすれば話は違ってくるかと思うが、それでも空の旅が今よりも不便になり、よりよい選択肢がなくなることは否めないだろう。

カタール市民への影響は?

隣国との国交を断絶されたカタール国民はどうなってしまうのだろう?彼らにすれば、いきなりいけなくなる国が増えるわけである。流動性への不自由の高まりは容易に想像できる。

一方でもともと砂漠地帯であり、自国民を養うほど食料の自給率が高くないカタールはそのほとんどを輸入に頼っている。BBCがカタールの国交断絶による影響について報じた記事によるとカタールで消費される40%の食料は、サウジアラビアとの陸地の国境から輸入しているという。

サウジアラビアがその国境を断絶してしまえば、別ルートを頼らざる得なくなり輸入にかかる経費はかさむ。それが物価に反映されれば、

「国内ではすぐにインフラが起こり、カタール市民の生活にも影響するだろう。さらに物価高に市民の生活が圧迫されると、市民によるカタールの政治の体制への不満や、政治への変化を求める声が大きくなることが予想される」

「カタールに住む裕福ではない層は、比較的物価の安いサウジアラビアへ頻繁に買い物に訪れており、国交断絶はそうした彼らが、手ごろな価格で日用品を得ることがもはやできないことを意味している」

とグローバルビジネスアドバイザリーファームの専門家の見方を同記事で紹介している。5日に国交断絶を表明したUAE、サウジアラビアでは同日の18時ごろにはすでにカタールへの砂糖の輸出をストップしたという。

このような事態を受け、カタール国内では一部買いだめに走る市民の様子もツイッターで紹介されている。

国交断絶。断絶されるのは、国の交じり合いだけではない。やっぱり振り回されているのは市民たちである。果たしてそこまでしても、本当にこの国交断絶に踏み切る必要があったのだろうか、経済制裁といった別の道をとる術はなかったのだろうか、と市民として思わざるえない。