癒される!大人も大満足のドバイ水族館

ドバイモールに行くたびに、魚すげえなと水槽の横を素通りするだけだったが、連日の仕事で心も体もズタボロになり、癒しを求めて訪れたのがドバイ水族館。

一番安いチケットでも3,000円する。しばらく水族館なるものから離れていた人間からすると、高いのか妥当な値段なのかよくわからない。サメとダイビングができるコースもあったが、とりあえずベーシックコースの一番安いチケットを購入。

しかしアバヤを着た受付嬢が、「約600円の追加で水槽をボートで見学できますよ」とすすめてくるので、言われるがままにボートコースを追加する。単なる受付嬢じゃなく、ちゃっかり売り上げを上乗せするデキる営業マンである。


チケットを購入すれば、すぐに入場させてくれるほどドバイの水族館は甘くなかった。入り口の係員にチケットを見せ、すぐに入れるのかと思いきや、「はい、そこにたって、ポーズしてー。驚いた顔してー」と言われる。

一体何事かと思いきや、有無も言わせずに勝手に記念写真を撮影させられるのである。一人でこんな恥ずかしいポーズをさせられるとは、おひとりさまには過酷すぎる辱めの刑である。あまりの辱めに最後には、「もう勘弁してください」と言って、パンフレトで顔をおおう羽目になった。

そんな辱めの刑を受け、精神的なショックを受けながらも水槽トンネルへ入ると、とたんに元気になる。


水槽トンネルの中は幻想的

いるわいるわ。サメやらエイが、水槽に腹をつけて休んでいる。外の水槽から見ると優雅に泳いでいる彼らだが、その姿はまるで家でくつろぐかのようにのんべんだらりとしている。仕事の時は、かっちりとした服装をしている人のスウェット姿の部屋着を見た時のような、人間味ならぬ魚味を感じた瞬間である。


なんとも形容しがたいエイやサメの腹

水槽トンネルを抜けると、別の係員が「次は2階にいってくださいまし」というので、いったん水槽トンネルを抜けて、ショッピング街の中をエレベーターで2階に移動。せっかくの水族館気分が台無しである。

受付嬢にすすめられたボートとやらに乗る。一体どんなもんかと思いきや、あの巨大水槽の水上をボートに乗って魚を鑑賞できるものらしい。ボートの底はガラス張りになっており、足元をサメやら魚が無邪気に泳ぐ。


水槽の上からボートで魚たちを鑑賞

陽気なガイドとボートに乗り込み、ドバイ水族館や水槽内の魚の説明を聞く。ガイドというぐらいだから、サカナくんみたいな魚オタクかと思いきや、

「魚の写真と名前がのったリストがあってな。それをただひたすら読み込んで暗記するんだ」

という意外と誰でもできそうな方法で魚の知識を取得していた。

印象的だったのは、魚も動物と同じく野生であれば6~8年が寿命のサメでも、水族館のサメは12~14年ぐらい生きるということだ。人間も魚と同様に先進国のような高い医療水準で、危険が少ない国では寿命が長くなる傾向がある。

けれども寿命が長くなったことでいいことなんてあるのだろうか。私の場合、寿命が短くてもいいから厳しい、野生の環境で生きたいと思うのである。

15分ほどの水槽ボート体験を終えて、次にやってきたのは「アンダー・ウォーター・ズー」。子ども向けのしょぼい展示場かいな、と期待していなかったがこれが期待以上。

ディスカス、ピラニア、アロワナなど見慣れた魚に始まり、見たこともない魚も展示されている。写真をとってくださいと言わんばかりに、シャッターをきりたくなる工夫された展示。


タッチパネルで魚の情報を知ることができる

私もその一人で、珍しい魚に夢中になるあまりに写真をとりまくっていたが、どうもおひとりさまは他の客の餌食になりやすいらしい。

インド人女子に写真撮ってくれと頼まれ、なぜかスッポンモドキの水槽の横でバッチリポーズを決めるインド人女子を写真におさめたり、プリッツェルをくわえた子どもに絡まれ、食べかけのプリッツェルをすすめられる。おひとりさまの水族館めぐりも大変なものである。


スッポンモドキ。別名、「ブタバナガメ」。悪口である。

水族館のクライマックスといえば、スター級の人気動物が相場だがドバイ水族館の場合は巨大ワニ、キングクロコダイル様だ。体長5メートルを越し、体重は750kgと成人男性の14人分の重さだというキングの名にふさわしいワニが君臨している。


ワニに夢中になるインド人お父さん

ラマダン中でキングもへばっているためか、まったく動かない。しかし迫力だけは、ガラス窓越しに伝わって来る。容易に人間を丸呑みにできる能力がキングにはあるということが否応無しに分かる。

毎日16時になると餌付けショーが見られるらしい。可愛らしい動物の餌付けではなく、命がけの餌付けである。

ワニの水槽近くには、ペンギン、巨大カニといったこれまたクライマックスを飾るには申し分ないスターが揃っているが、そんな中客の流れはどう見てもキングに食われていた。


カニの水槽近くに来ると、蟹味噌の匂いが漂う


ペンギンもよく観察していると、必死こいて泳ぐ泳ぎが苦手そうなペンギンとドヤ顔で泳ぎが得意なことを自慢してくるペンギンがいることが分かる

一応ドバイらしさも詰めておこうということで、展示されているのがUAEでみられる砂漠の生き物コーナー。スコーピオンやキングコブラ、コウモリ、フクロウなどが展示されている。

最初はそんなに期待していなかったものの、いざ行ってみるとまあ大満足。客を喜ばせるポイントをコンパクトにつめこんだ水族館だ。年間パスの購入を検討したいぐらいである。

さらにドバイ特有の金さえつめばいろんな経験ができる、ということもポイントだ。わざわざドバイモールの水族館でやらなくても・・・と思うようなサメとのダイビングや巨大ワニの餌付けなど。

けれどもお買い物がてらに町の中心部でそんな経験ができるということ自体がやはりドバイだ。節操はないけども非常にプラクティカル、かつ金がある人間の扱い方をわかっている。