海外就職をする前に知っておきたかった5つのアドバイス

もし今の自分が海外就職をする前の自分に、アドバイスをするとしたら?海外就職(といってもドバイしか知らないが)をしてみてはじめて見えてきたこと、それを過去の自分へフィードバックしてみたい。

1.就職する国に1~3週間滞在してみるべき

もちろんその国に住み着いてからも、渡航前には見えなかった意外な穴が見えてくることは間違いない。けれども事前に観光ではなく、生活をすることを想定して様子をみておくことで、どの程度のインフラが整っているのか、物価はどうなのか、衛生面は大丈夫か、文化的に耐えうる場所かというのを把握しておくべきだ。そうすることによって、住んでからこんなはずじゃなかった!というストレスが幾分か軽減されるはずである。


私の場合はドバイにストップオーバーで、数時間しか滞在したことのないまま生活することになった。もちろん先に知るか後に知るかの問題であり、特定の時期にならないとわからないこともあるので、ドバイの生活を事前に把握するのは限定的にしかならなかっただろう。

けれどもあらかじめ知っておくことで、覚悟もできるし、海外就職の国の選択肢を増やす1つの手段になりえたんじゃないかと思う。

2.他人の海外就職手記を鵜呑みにするな

キャリアサイトなどで紹介されている海外で働く人の紹介記事を読むと、おおお!自分も海外で早く働いてみたい!などと昂揚(こうよう)してしまいがちだけど、今にしてみるとこのような紹介記事は、要は海外就職をすすめたり、海外で働く=かっこいいみたいなイメージを作りたいがために、多少盛っているように思う。

いや盛っているというよりも、記事では語れない苦労、実は海外なんていかねほーがええわい、といったホンネの部分がカットされているんじゃないかと。

もちろん駐在員と現地採用では全く経験するものも見るものも変わってくるので、そうした違いもあると思う。けれども実際に現地採用として働いてみて、やりがいのある、苦労はあったけど今は楽しいといった言葉だけで語られる海外就職体験はうさんくさいと感じるようになった。

そう、まずは海外就職の語り部が駐在員なのか日本企業の現地採用なのか、外資系もしくは現地企業で働いているのかに留意した上で参考程度に読む程度でいいんだ。

そして記事が載っている媒体もチェックすること。キャリアサイトでは、あくまでインタビューを受ける相手は、かまえていいことだけを美しく語ろうとするし、キャリアサイト側もそれを求めているから。

一方でブログやソーシャルメディアといった個人発信のものは、そこそこダイレクトな意見を発信しているはずだ。そういう人にもっと話を聞いてみてもよかったんじゃないかな。

3.日本よりも稼げるorスキルを得られる国を選べ

海外就職という言葉が半ばファッション化し、スキルがなくても海外で働ける!といったことを強調する人もいるが、このことが安易な海外就職を招いているように思える。

日本だとどんづまり感を感じるから、とりあえず海外に就職したいから海外に出てみる、という形の海外就職はおすすめはしないよ。たとえ、物理的には海外で働いていたとしても、それは長期的なキャリアアップの観点から見ると非常に脆弱な部分になりうるから。

日本で働く場合と同様のスキル、経験がかわれて働く仕事ならいい。けれども日本語のみでOK、日本人だったらOKというような仕事では、日本に戻る戻らない以前にスキルアップが望めないと思う。キャリアをつんで年収をあげるためには非常に足かせになる。日本であれば、日本人であることを条件に採用するのはアルバイトぐらいじゃないかな。

何も日本に戻った時に使えるスキルを磨いておけ、ということではない。あくまで国がどこであれキャリアアップができるスキルが身についているか、という点が重要なのだ。

そしてそもそも日本人が、日本よりも賃金の低い場所で働く必要があるのか、ということも考えてみて欲しい。ドバイでは、先進国、途上国も含め皆が自国よりも高い給料をもらっている。先進国の人間も途上国の人間も「出稼ぎ」。それがドバイで働く大半の人々の目的である。

一方で、わざわざ自国よりも安い賃金の国で働く日本人の姿は逆行しているようにも見える。それでも、給料が低くても生活できて貯金はできるし、生活も日本よりゆとりがあるからいいんだ!という人もいるかもしれない。けれどもそれはその国で生活する分において、ということであって、世界の平均的なものの価格は変わらない。例えば、航空券だったり旅行ツアー代だったり。

そのことを考えると住んでいる国の近辺はともかく、日本の給料で悠々と行けた国ややれたことに制限がかかってしまう、もしくはお金を貯めるのに時間がかかるということが発生するのではないかと思う。

逆にドバイで少なからず給料があがり、自由に使えるお金が増えたことでわかったのは、お金があることでできることの選択肢も増えるということだ。お金は幸せの絶対値ではないけれども、もっといろんな経験や世界を体感することができる交換紙幣になりうるのだと。

であるからこそ、日本よりも低い給料に甘んじて海外就職しているなんていわずに、高給料を目指して欲しい。

4.日系企業で働くのも悪くないかもよ?

日本企業で働いて海外駐在になるのを待つというギャンブルはまっぴらだと思って、外資系でさっさと経験を積んで海外の外資系に入ることだけが自分にとって正しい道だと思っていたかもしれない。

だから無理に日本というワードをさけ、後天的に得た経験とスキルだけで食っていこうと頑なになっていたんだと思う。

けれども、ドバイの半日系企業で働く現地採用の人いわく、

「活かせるものはなんでも使ってやったほうがいいじゃん」

と。実際知人は日系クライアントを担当しているものの、仕事内容としては外資で働く私のものとあまり変わりがない。むしろ日本人であり日系クライアントをよく理解しているということで社内では重宝されているぐらいだ。

この点が、日本人というアイデンティティという拠り所を失い、アラブ人欧米人優位の会社で自信をなくしている私にとっては非常に魅力的に思えた、ということも事実である。

だから意固地にならず、きちんと仕事内容を見極めた上であれば日系企業で成果を出して、上に行くという方法もありなのだ。時には困難な道ばかりではなく、賢い道を選択する余裕があったほうがよい。

5.キャリアアップができる国なのか?

海外就職となると、キャリアはひとまずおいておいて海外で働きたい、留学時代にいったこの場所でどうしても働きたいといった気持ちの方が先行しているのではないか?

けれども本当にあなたがキャリアを積んでバリバリ働きたいと考える人間ならば、もう少し落ち着いてその国におけるキャリアアップのチャンスを考えるリサーチをしていただきたい。

海外で働くことはいずれは特別でもなんでもない日常になる。そして海外で働くということへの欲望が満たされると、必ずキャリアについて真面目に考えざるおえない日がやってくる。本当にあなたがキャリアを積みたいと思う人間なら。

そしてある日から、本当にこの国でよかったのだろうかなんて考え始めるのだ。するとあっちの国の方がやりやすそうだ、とかキャリアを積めそうだなんて浮気心が発生する。

ちなみに海外で働いたこと、多国籍な連中の中で働いたことが必ずしもキャリアにとってプラスになるかというとそうでもない。職種によるとは思うけど、そんなことがあなたの履歴書にとってプラスになるかというと残念ながら違うだろう。

確かにドバイは、中東でも急成長の国で比較的広告業界のマーケットがあると当初は踏んでいたのかもしれない。けれどもマーケットやニーズがあることと、そこで日本と同様もしくはそれ以上の、あなたが今後キャリアをアップさせていくための成長ができるかは別問題だ。

それでも異なる文化や国の人と働くことで、日本で働くよりもずっともっと多様な働き方を学びいろんな経験を積んだ、と正当化しているかもしれないけどそこに甘んじてはいけない。あくまでも上に登るために必要なのは、純粋に業界での経験でありスキルなんだということを常に持っていて欲しい。

だからキャリアを考えた時に、必ずしも自分の好きな国で働くこととキャリアアップが両立するかというとそうでもない、ということも心にとどめておいて。旅行や短期滞在でもしかしたらそうした欲求は満たされたかもしれないし、その方がキャリア的によかったと思うかもしれない。

特におおよその場合には、国の経済力、宗教と教育、人々の働くモチベーション、働き方は少なからず連動しているんじゃないかと思う。もちろん日本とまったく環境で働くのは面白いけれども、仕事に関しては日本と経済力や発展度があまり変わらない国の方がやりやすいんじゃないかな。

でもキャリアをとっても、きっと私生活がつまんない。多分そんなことを言い始めるだろうから、やっぱりある程度私生活でも刺激があって面白い国、かつキャリアをつめる国というこのバランスをうまくとっていくことが大事だと思う。