結核を疑われ、謎の医療検査をした結果

前回の労働キャンプへ移送され、数奇な運命をたどることにから始まったドラゴンクエスト並みの医療検査の旅。嫌々、本日も労働キャンプ内にある医療センターへ。

本日も迷いの森へ行くのかーと思うと気が重い。しかしそこは勇者となって果敢に飛び込んでいく。半ば逆切れしたヤンキーのごとく「検査どこで受けたらいいんじゃー?ワレー?」というようななめんなよオーラを出しながら聞いて回る。


すると今日はすんなり、目的の場所へ。と思ったら再び採血。しかも雑!

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絆創膏て・・・

その後に待ち受けていたのが、謎の容器を目の前に置かれる。尿検査ですか・・・?と思いつつ聴くと、つばをはけ!との通達。何の目的なのかわからないつば吐きの儀式、ここに始まる。

え?まじで!?口内検査は受けたことがあるけど、つばを検査するて・・・?

そう。文字通りつば検査なので、つばを出す必要があります。困惑しながらも周りを見回すと数人が、壁を向き何かを吐いている。しきりに思春期の女子高生が嫌がりそうな、おっさんがつば吐く時の「カーペッペ」(文字にすると可愛く聞こえるのは気のせい?)という音が多方面から聞こえる。

その音と、もはや意味不明な検査で含み笑いをしてしまう。多分有吉のデフォルトのようなにやけ顏みたいだったと思う。にやけつつも、壁の方を向き無言でつばを2,3回出す。初めての検査なのでどれぐらいつばが必要なものかもわからない。とりあえずこんなもんでいいかとふと横を見ると、フィリピン人女性が持つ容器の中にある液体の量を見てぎょっとする。

え?これ「つば」じゃなくてもはや「つばの海」やん。

というぐらいちゃっかりと液体と化したつばの海が目の前の検査容器に広がる。それを見て慌ててつばを吐き直す。もっとつばを吐かなくちゃ!人生でこんなにつばを吐いたのは、初めてである。連続20回ぐらいだろうか。これならギネス記録もいけるんじゃないかと本気で思った。

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ふーこれでつばを提出すれば終わりだ!と思ったが、謎の検査はそう甘くない。なんとこれが翌日、翌々日と連続で行われたのだ。

事実を淡々と述べると、

「朝早起きをして人里離れた労働キャンプに、つばを20回ほど連続で吐きに1時間半ほどかけていくのです。単純につばを吐くだけです。つばを吐くだけに、時間とお金を垂れ流しにするんです。これを3日連続行いました。」

なんで毎日「つば」をはかにゃならんのだ!?つばは1回分で十分じゃないの?
1回じゃ検査終わらないって、どんだけつば集めたいの?つばコレクターか!

この虚しさといったら・・・

とつば吐きの儀式が3日かけて行われた後は、これまた終わりかと思いきやまだありました。

ドクターチェック❤︎

なぜハートなのかはわかりませんが、とりあえず悪意のある可愛さを表現したかったので。しかしこのドクターチェック何かおかしい。医者に検査してもらうだけなのに、なぜかマスクをさせられる。

同じくドクターチェックの犠牲となったパキスタン系の勇者はマスクのつけ方がわからないらしい。

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マスクは鼻と口を隠すもんなんだぜい。

10分ほど待たされて部屋に入り、医者に聞かれた質問に違和感を覚える。

「せきがよく出るとかいう症状は?今までに何か肺の病気をしたことがあるか?飲んでいる薬はあるか?」

などしきりに肺のあたりを指差して聞いてくる。

あれ?なんか肺の病気疑われている・・・?

と思いつつ次に連れてこられたのが、これまた謎の簡易医療室。座ってものの10秒で変な薬を注射させられる。

奇妙なもの入れられた!

わからないものが注射されるほど、怖いものはない。この時初めて味わった感覚である。今思えば、ちゃんと説明しろよ、と思うのだが。

「終わりじゃ!」と言われ、無造作に渡されたのが、変な黄色い紙。どうやら奇妙な薬の名前がかいてあるようなのだが、専門用語すぎてなんなのかわからない。

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その後会社に戻り、ネットで調べると

ツベルクリン・・・?

ツベルクリン(tuberculin)は、結核菌感染の診断に用いられる抗原である。
Wikipediaより

この瞬間、コナン君のようにすべての事実がつながった!

そうか、わかったぞ!結核を疑われていたんだ!犯人は結核だ!というかもはやドバイの変な医療に弄ばれているだけである。

ツベルクリンは72時間待って反応を見る必要がある。そのため終わりだとおもったが、3日後にまた労働キャンプへ逆送されることに。

そして3日後。注射跡を無造作にボロボロの定規で反応の大きさを図り、ボールペンでぺっぺと印をつける。どうやら問題なかったようだ。が、本日の労働キャンプの慰安訪問はこれにて終了。

そして、翌日ようやく待ちに待った検査結果をもらえた!あのねちっこさが嘘のように身の潔白が証明された瞬間だった。

この時頭の中で流れたのが、SPEEDの「My Graduation」。やったついにこの労働キャンプから卒業できる!と。長い長い光の見えないトンネルからようやく解放されたのだ。

と同時にこんな検査結果の紙切れ1枚に費やした時間と金と体力といったら・・・この国で生きていくためには、この紙切れが大事なのだと自分に言い聞かせて、労働キャンプをあとにした。

ドバイでこれから医療検査を受ける方へ。安心してください。医療検査は本当は3行の文章で終わるぐらいの出来事なんです。運が悪いと、数奇な運命をたどることになりますが・・・まさに世にも奇妙な話である。