労働キャンプへ移送され、数奇な運命をたどることになった

のっけからなんなんだこのタイトルは。ええ、そうなんです。ベンジャミンバトンの数奇な人生なみに、数奇な運命をたどることになったんです。事の発端はドバイの住居カードに必要なメディカルチェックを受けにいったこと。本来であれば、1~2時間のX線検査、採血等などをすませて数日後に結果を取りに行くという、文章にすれば3行で終わるできごとなんです。


しかしながら3行で終わらなかったので事の顛末をここに書き残しておこうと思う。このメディカルチェックを終えるまでどれだけ苦労したことか。

初日。滞在中のホテル近くの医療センターへ行く。しかし、受付でムスリムの受付嬢に

「あんたのスカート、膝より短いざます!医療チェックは受けられないざまーすよ」

へ!?何ここ、中学校か?

ものの10秒で退出命令を食らう。ここでイスラムルール発動かよ!?

ドバイはイスラム教の国であっても服装にはそれほどうるさくなく(学校で言えば公立みたいな感じですね)、豚肉だって隔離された場所だけど売っている。お酒だって自分で買うにはライセンスをもたなきゃいけないけど、レストランにいけば結構普通に飲める。そんなイスラム教の国にいるということを半ば忘れかけた時にいきなり適応されたイスラム教ルール。

というわけでしょうがなくその日は帰ることに。のちに聞いてみれば、メディカルチェックの結果を受け取るだけでも、肩、膝が出ている格好をしていると受け取れないという同僚がいた。意外なところで頑ななもんである。

次の日は無事にメディカルチェックを受け、これで終わりじゃと思ったのも束の間。検査を終え、結果を取りに行ったその翌日から数奇な運命をたどることになった。その始まりはこの一言。

「あんたの検査結果はここにないわよ。別の医療センターへお行き!」

へ?ないってどういうこと?そしてこの医療センターは何?どこにあるの?

とりあえずどこにあるのかもわからずとりあえず、検査結果が欲しいばかりにタクシーに乗り込みその場所へ行くことにした。行く先の自分の運命も知らずに・・・

タクシーのメーターは私の心配をよそにどんどん上がるばかり。そしてドバイの空港も通り越し、いったいどこへきてしまったんだろうとふと外をみれば、そこは

労働キャンプでした。

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込み上げてくるこの哀愁はなんなんでしょう?

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労働キャンプ、は主観ではなく、建物にそう書いてあるのでそう呼ぶしかないのだ。おそらく低賃金で働く工事、建築関係の労働者が多く住むところのようだ。しかしあまり悲壮感はなく、日本の昔の団地のような印象を受ける。どちらかというとドヤ街という言葉の方が当てはまるかもしれない。

それにしても、あきらかにドバイの中心地とは違う雰囲気に、何だか拘置所から刑務所に移送されているような感じがしてしまった。もしくは地方に左遷されたサラリーマンの気分に近いかもしれない。

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あれ・・・?と思いつつとにかく中に入る。同じ医療センターと呼ばれる建物なのに、なんかいる人が違う。先日まで通っていた医療センターには、欧米人が多かったものの、こちらの医療センターにいるのはインド、パキスタン系かつ蟹工船に乗ってそうな労働者っぽい雰囲気が全体的に醸し出されている。差別ではないのですが、なんかいる人が明らかに違うよね、ということです。

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メンズ度98%超えてますが、嬉しくはない。

米一揆でもおこせそうな群衆に圧倒されつつも、気づけばここにきて何をすればよいのかわからないのでとりあえず聞く。聞く、聞く、聞くが誰しもはっきりとわからないようで、同じ場所をぐるぐると回り続ける。何これ?ジャングル?終わりあるの?一応公的施設なのになんでこんないい加減なの?せっかくここまではるばる来たのに収穫なし。

はい。ということでまた泣きました。

その日はただ労働キャンプを訪れて、疲れただけというなんとも実りのない1日を過ごす。とはいえその後は会社に出社するため体力、気力とも最悪の状態で魂が抜けた状態で1時間半ほどかけて出社。

会社の人に大丈夫か?と心配されるも、何がなんだかよく分からないと伝えることしかできない。本当に自分の身に何が起こったのかよく分からなかった。

その時分かったのは、

1.検査手続きを労働キャンプ地区内にある医療施設で再度受けなければならないこと
2.普通はそんなことはないので、相当運が悪いのにあたっちまったということ
3.もしかしたら検査でひっかかったのではということ

の3点。3点目に関しては、長くドバイに住むイタリア人によると血液検査は基本5人から10人ぐらいの血液をいっぺんに検査。その中で、誰かがひっかかれば全員やり直しという、なんだこの奇妙な組合制度は!?

一度も病気したことがない健康体人間が引っかかるわけがない、と思っていたのでこのショックは大きかった。

もはや理解不能で、とりあえず「あ、医療レベルが低いんだな」ということだけは分かった。「いやだ!もうあそこへは絶対行きたくない!なんとかしてくれ」と懇願するものの、それしか道がないといわれ、再び絶望。

そして翌日からまたあの労働キャンプ(もはや医療センターよりもこっちの方がしっくりくる)へ舞い戻る日々が始まったのだ。未だ何をするのかも分からずに・・・

数奇な運命の続きは下記で。
結核を疑われ、謎の医療検査をした結果