ドバイでの遭遇率20%のUAE人だらけの奇妙な祭りに参戦してみた!

ドバイでの現地人率はたったの20%。しかし実際の生活で関わりがあるかとなるとほとんどない。つまり北海道の人と沖縄の人が会うぐらいUAE人との遭遇率は低い。

しかしそんなUAE人がわさんか集まる祭りがあるという。


それが毎年UAEの首都、アブダビで行われる「シェイク・ザイード文化遺産フェスティバル」だ。通常はUAEの建国記念日である12月2日にあわせて12月初旬から1月下旬にかけて行われる。

ヘリテージというぐらいだから、UAEの文化や歴史がテーマなのである。よくこの国に住む外人は私も含めてだが、「この国は文化や歴史がない」と言う。けれども全くないわけではないだろう。とりあえずは45年という日本の女性の平均寿命の約半分ぐらいの歴史はあるわけである。

日本人は妙に歴史があるものをありがたがる。「明治創業です」とか「100年続く店」、「老舗」といった言葉は特にグルメやバラエティ番組でいかにもらしく紹介されると、演者たちは「そんな長いんですかー」といって歴史が長いということを自体を暗にほめそやす。

けれども歴史が長いから偉いというのは、歴史がある国の人たちがないものたちを見下しているようで、やや暴力的だと思う。歴史があるからこそ、現代にそぐわない法制度などが未だに残り、現代の我々がのびのびと生きることを妨げることだってある。逆に歴史がなければ、歴史を作るのは我々だという意識も生まれる。UAE人たちにそういった意識があるのかはわからないが。

前置きが長くなったが、みんながないないという文化や歴史がぎゅっと凝縮された集大成がこの祭りである。さて、日本人女性の平均寿命約半分の歴史でも見るとするか。

会場はアブダビでも、地図にうっすらのっているかのっていないような砂漠のど真ん中に位置する。一体こんな砂漠のど真ん中で、祭りなどが行われるのだろうか信ぴょう性にかける。

あまりにもわかりづらいため、まるで外国人の侵入をこばみUAE人だけに用意された秘密の場所のような気さえしてくる。アブダビのバス停にも、会場へのシャトルバスの時刻表が書かれた看板が置かれていたが、いくら待ってもその時間に来る気配はない。

あ〜こういうやつね。きっと看板を置いてみたものの直前になってバスを出すのを忘れていたとか、面倒になったパターンだな。と解釈しつつシャトルバスを諦めてタクシーで行くことに。

もちろん普通の街を走る運ちゃんは、聞いたこともない地名なのでしょうがなくやや割高のUberで行く。運ちゃんも「あんた本当にこんなところにいくのかい?」と物好きを見る目で聞いてくる。

会場につくと早く着きすぎたのか誰もいない。しかし一応会場時間は15時と書いてある。

これがアラブ人の行動を知らない人間が犯しがちなミスである。アラブ人は基本夜行性。イベントがいくら昼からやっていたとしても、夜ぐらいに人が集まり出すし、だいたいのイベントは時間通りに始まらない。

よってイベントや飲み会というものは時間通りに行くのは愚かな行為であり、2~3時間ぐらい遅れて行くというのがこちらの流儀である。

祭りのメインはUAEの歴史と文化ということだが、見渡すと世界各国のブースがあり食事や民芸品を楽しめる、ちょっとしたミニ万博のような空間だ。

さすがローカルイベントだけあって、どこを見渡してもエミラティ(UAE人)しかいない。ドバイでは20%しかいないが、ここで数値が逆転してエミラティ: 外国人=80:20といった割合になっている。


こちらはモロッコやエジプト、トルコなどの出店ブース。異国感が非常に出ている。


モロッコ風の噴水。よくもまあ砂漠の上にこんなものを作ったものである。


UAEブースではUAEの雑貨や小物を売るお店が軒を連ねていた。

こういってはなんだが他国がこぞって自国の文化や雑貨をアピールするブースにより、圧倒的にUAEのヘリテージフェスティバルであるという存在意義が失われているようにも感じた。むしろそんな他国のブースに囲まれたら、UAEの文化の影がますます薄くなる。

いやむしろそれを見込んでいるからこそ、UAE文化のみじゃイベントが成り立たない!ということで盛り上げ役として他国にも出店を呼びかけていたのだろうか。

しかし、ここは単なるミニ万博ではなく日本ではまずお目にかかれないようなお国が出店しているので、マニアックな国好きの私としては非常に心躍るものであった。

アフガニスタン、パキスタン、カザフスタン、ボスニア・ヘルツェゴビナなどなど。むしろアフガニスタン人と絡める!ということでUAE文化なんかそっちのけになってしまった。


カザフスタンの土産物屋さん。


カザフスタン人は日本人にどことなく似ている・・・


木製のリボンネクタイ。これは日本でも受けそうじゃね?センスの高さにカザフスタンのポテンシャルの高さを見出す。


金まみれのドバイでこうして芸術を生きがいとしていそうなおじさんを見ると心和む。


アフガニスタンの首都カブールからやってきた少年。ひたすらに絨毯を織る姿がかっこいい。惚れてまうやろ。サングラスがひたすら渋いよ。

労働者じゃない普通のアフガニスタン人の少年に会えただけでも、実りのあるイベントだった。

UAEらしいものといえば、この伝統的なダンスぐらいだろうか。


不思議なアジア人が気になってダンスに集中できないエミラティのおっさん複数人。


UAEの展示ブース。どこにいってもこの手の展示ブースに人が集まることはない。

もちろんこの他にもUAEの歴史博物館があったり、日にちによっては、ラクダやファルコンショーなども開かれていた。訪れる際には公式サイトでイベントの予定をあらかじめ確認しておくとよいだろう。

ちなみに8時以降になるとUAEではおきまりの花火大会が始まる。

 「シェイクザイードヘリテージフェスティバル」公式インスタグラムアカウントより

会場はまるでピニクックと化していた。印象的だったのは、祭りだというのに夜店の主なメニューが茹でとうもろこししかないのである。それをみんなが嬉しそうに頬張っている。

日本であれば、焼きそばや焼き鳥、たこ焼きなどといった定番のものから、最近は祭りの夜店もグローバル化の波により、トルコのケバブやおしゃれなアジアン夜店も見かけたりするが、茹でトウモロコシて・・・好きな祭りの夜店ランキング、飲食部門では最下位をあらそう常連メニューになりそうである。

と終わってみれば、UAEの文化遺産をテーマとするはずだったのに他の国の文化にばかり気をとられるという結果に。いやむしろこうした他国と比べること浮き出る文化の濃淡自体を楽しむというイベントということにしよう。