隣のバーレーンくんがやばい

「やばい」などという、大人からすると何を意味しているのか分かんねえよ、と言われそうな若者言葉を久しぶりに使ってみた。

というぐらいにこの形容しがたい衝撃には「やばい」という表現がしっくりくる。何が「やばい」のか?ドバイにやってきてから毎日「開いた口が塞がらない」という状況に出くわしてきたが、この「やばさ」はメガ級である。


ルームメイトにバーレーンからドバイに勉強しに来ている人がいるというのは聞いていたが、まさにその当人に出くわすことができたのである。表題の通り、彼は隣の部屋に住んでいる。

ちょうど部屋の前で出くわし、挨拶をして簡単にどんな人か聞いていたら、立ち話で収まりきらないスケールの話になってきたので、「じゃあ10分後ぐらいリビングで話でもしましょう」ということでとりあえず部屋に戻る。

なんとも不思議な初対面のあり方である。

とはいえアラブ人だし、どーせ来るとか言ってこないんじゃね?(←失礼)

と思いつついったん部屋に戻り、少しして2階の部屋から1階のリビングへ行くと、

いた!

いやいやそう言ったんだから来るのが当たり前だろ、と思われかもしれないがこちらでは有言実行率は3割に満たないので、有言実行した場合の驚きが半端ないとともにその人への信頼感はぐんとあがる。

アジア圏の人間が多い中で、希少な中東出身の人に会えるというワクワク感があったのだが、実際に話を聞いて感じたのは、それを上回る衝撃のストーリーだった。

彼曰く、

「ドバイの大学に毎週3日通っていて、バーレーンでも仕事があるから残りの日はバーレーンに帰っているんだ」

と。

え?これがリアル2カ国間で生きる人!?

隣国へ行くのには相当な労力がいる島国人間からするとこの毎週2カ国で生きる、という事実は衝撃すぎた。

さらに聞くと、

「今自分のビジネスもやってるんだよねー」

と一言。え?毎週バーレーンの会社に行って、ドバイの大学に通って、自分のビジネスもやってるの?

スーパーサイヤ人!?

もうそれぐらいしか感想がない。そんな暮らし大変じゃない?と聞くと、

「飛行機でドバイからバーレーンは数時間。さらにあと1年勉強すれば卒業だから、それまでの我慢さ」

と事情を聞けばそれほど深刻さは感じられない。

しかも

「一度ドバイからバーレーンまで車で行ってみたんだよねー12時間ぐらいかかったから、やっぱり飛行機の方が楽だって気づいたんだけど」

無謀?

島国出身の人間からすると車で国境をまたぐというトンデモな事実だが、落ち着け。ここは大陸の中東。普通のことなんだ、と自分に言い聞かせる。

リビングでも話が収まらなかったため、「じゃあ夕食でも一緒に食べよう」と、なぜか出会って1時間後に夕食を一緒に食べるという事態に陥った。

夕食時には興奮もおさまり、世間話ぐらいしかしなかったのだが、あれは一体何だったんだろう。
おかげさまで世界がまた広くなりましたとさ。