日本での成功体験が世界に出ると途端に通じなくなると悟った時

「日本で成功していることが必ずしも海外で通用するとは限らないからね」というのは海外に出る人間としては、まあそりゃそうだよな、と理解していたつもりでいた。しかし理解するのと体感するのとは違う、ということが仕事を通じて最近になってわかった。


そりゃあ、市場も商習慣も違うわけだしそううまくいくわけはないということは、

わかっちゃあいるのよ(寅さん風に)

わかっちゃあいるけど・・・・・

こんなに違う!?

今まで積み上げてきた経験がすべてチャラになり、また1から積み直していかなければならないような気分になる。まるでせっかく立てた家を壊し、また1から家を建て直す、そんな感じである。

もちろん一度家を立てているので、コツはわかっているのだが・・・

同じ職業ではあるものの、市場によってやはりニーズは異なるらしい。専門的な話にはなるが、日本ではYahooといった負の遺産もありネットでの検索が盛んである。一方でここ中東ではまったくといっていいほどネットで検索する人は少ない。

じゃあみんな何しているの?

というとソーシャルメディアである。日本よりも圧倒的にFacebook、Youtubeの存在が大きく、多くの人が使っているためFacebookやYoutubeでのマネージメント、広告出稿の方がメジャーな仕事になっている。

市場が違うとやらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことが全く異なる。これはこうだから、と決まっていた日本の市場に慣れきった自分の脳にはきつい作業だ。とはいえこうしたエクササイズは、臨機応変に生きるためには非常に有用だと思っている。

この経験により思い出したのがシャープの凋落。大学時代に新聞社でアルバイトをしていた頃だ。日本経済の中心となってきた大手家電メーカーの取材をする、というなんともマニアックなアルバイトをしていた時。ちょうどテレビが売れなくなり、家電メーカーにとっては大きな痛手を負う時期となった。そんな時に当時のシャープの社長か副社長がオフレコのインタビューにいっていた言葉が、

なぜシャープの海外展開がうまいくいかないのか、一方のサムスンは飛ぶ鳥を落とす勢いで積極的な海外展開を行い成功させている、その違いはなんなのか。

という質問に対し、

「商品はいいんです。ただマーケティング力が弱いために売ることができていない」

というような回答をしていた。その当時の私の記憶が正しければ、サムスンは現地に社員を送り徹底的に現地の文化を研究した上で、製品開発をしていたそうな。まさに日本製というブランドと日本で成功してきたから海外でも通じるだろう、という自信のもとそのやり方を海外でも同様に展開する。その結果、シャープは海外で成功することができなかったのだ。

ドバイにやってきた今でも家電の中心は韓国のサムスンかLGだ。それに加えひっそりとパナソニック、ソニーがいるといった状態。

その国の文化、習慣を知った上で仕事をしていく、その延長線上で初めてその国で仕事できるようになるんだろうなと思う。

一方で日本での成功体験を過信してそれを押し進めてしまうとシャープのようになってしまう。そんなことをひっそり思い出す、ドバイにきて2週間目のことだった。