暑すぎるだけじゃない!外国人から見たヤバイ日本の夏

中東と日本、どっちが暑い?と聞かれれば、中東と答える人が多いだろう。

実際に気温だけを見れば、中東のデスバレーことクウェートは日中の気温が頻繁に50度近くになる。ドバイも7月から8月にかけては、日中の気温が40度越えすることもめずらしくない。

そんな気温だと、20分すら路上で歩くことは、命の危険を伴う。これは決して冗談ではない。

40度越えが当たり前のドバイに住んでいても、やはり日本の夏の方が厳しいと個人的には感じる。夏に一時帰国した際に、たまたま目にした雑誌で「外国人が見たヤバイ日本<夏編>」という特集が組まれていた。

そこで外国人が感じた日本の夏のやばさと、私が実感したがことが、ひどく酷似していたため、国外からみた日本の夏のヤバさについて語ってみたい。

中東よりも日本の夏の方が厳しい!?

ここで注目したいのは、単純な気温よりも、どれだけ暑さを感じるかである。日本の夏の気温はせいぜい30~35度前後で、平気で連日40度越えの中東に比べると、マシじゃん?と思えてくる。

しかし、忘れてはならないのが、”湿度”というポイント。

中東は乾燥した気候なので、温度が高くても、それほど不快感はない。一方で、日本は温度は低いが、湿度が高い。この湿度のトッピンングにより、ジトっとした日本の夏が出来上がる。

ダイキンの調査によると、主要都市における8月の不快指数では、東京がダントツトップだということが分かる。

日本のやばい夏

ダイキン「第20回 現代人の空気感調査」より

さらに同じ調査によれば、9割近くの海外出身の人が、東京の夏は自国より暑いと答えている。ただ、この調査では12人しか回答していないので、データとしての信用性は低いだろう。

けれども、夏は涼しいカナダやヨーロッパの気候や、暑くても湿度が低くクーラーをガンガンに効かせた中東の環境を考えても、やはり日本の夏は過酷だと個人的には思う。

日本に住む外国人。9割が自国より暑い
ダイキン「第20回 現代人の空気感調査」より

湿度と気温以外に、忘れてはならないのが東京という特殊な環境。東京は世界でもトップレベルの人口密度を誇る国である。そして、東京の作りからして、暑さを感じるポイントがそこかしこに仕掛けられている。

まずは、通勤時の満員電車。当然ながら、人が集まれば気温も熱気で暑くなる。駅のホームのほとんどが室外にあるため、電車待ちをしている時も当然ながら、暑さにさいなまれる。一方で、車社会の国であれば、移動中にそれほど暑さを感じなくて済む。

そして、日本では環境意識が高いためか、商業施設のクーラーの設定温度がかなり高めに設定されていたり、扇風機なるものが出動していたりする。年々酷くなる暑さを前に、こうした対抗手段が十分なのかは疑問である。

暑いのにおしゃれ&すまし顔

自ら不快指数を上げに行っている人々もいる。おしゃれも速攻で台無しになるような暑さなのに、みな身の上を整えている。麦わら帽子なんてかぶっても汗で頭がムレるだけだというのに。

あらためて東京の街を行く人々を見て思うこと。なぜ、みんなあんなに着飾っているのだろう。まるで家を一歩出れば、ファッションショー☆というがごとく、キチッととした格好をしている。

さらに、日焼け対策のために、完全防備で街を行く女性もいる。とんでもない暑さだというのに、腕や首をカバーしている。その美への情熱に驚かずにはいられない。一方で、海外の人目線からすると、奇妙でもあり、なんらかの宗教のようにも見えてしまうだろう。

暑いんだから、適当にTシャツと短パンでいいじゃん?という訳にはいかないのが東京らしい。

サングラスよりも日傘&帽子

夏は日差しが強いのに、日本ではサングラスをしている人をほとんど見かけることがない。サングラスよりも、むしろ日傘を使用している人の方が多い。サングラスは、芸能人&おしゃれを気取る人のもの、という意識さえあるような気がする。

特にヨーロッパやアメリカなんかだと、日差しが強ければ、とりあえずサングラスを装着している。雨が降っていないのに傘をさすなんてと思う人も多いのか、欧米人で日傘をさす人を見かけたことがない。

しかし、ここ近年になってドバイでは男女含めアジア系の人々が、日傘を差しているのを見かけるようになった。考えてみれば日傘の方が体全体を日差しから守れるので、日差し対策としては理にかなっている。

夏を快適に過ごすには柔軟性が重要

総じて、日本(特に東京)で夏を過ごすのは過酷だと思う。暑いのに、クーラーガンガンに効いている場所が少ないし、暑いからといってタクシーで移動するのも金銭的な負担が大きい。

年々酷くなる暑さに対しての対抗手段も、日傘や扇子、扇風機といったそれほど暑くなかった時代に使われていた、ささやかなものである。日本らしい対抗手段だが、果たしてこれが昨今の異常な暑さに対抗できているかは、疑問である。

それに夏でもほとんどの会社は普段通りの就業時間だ。暑いのに満員電車に乗り、気温が高くなり始める頃に出勤するのは、かなりしんどい。国によってはサマータイムを導入する国もある。世界にはもっと心地よい夏があるのだ。夏は、暑すぎて過酷なだけではない。

猛暑も一種の自然災害として、暑すぎる時は自宅で働いてOKだとか、学校の場合は帰宅してよし、みたいな柔軟なルールがあれば、夏の生活はもっと快適なものになるだろう。

暑いのはしょうがない。

けれども、かたくなに他の時期と同じような行動をしていては辛いだけなのだ。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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