ドバイを去るということ

ドバイにやってきて9ヶ月目。初めてドバイを去る瞬間に立ち会った。彼女はドイツ人のルームメイト、エヴァ(エヴァンゲリオンじゃないのよ)は4年ほどをドバイで過ごした。かつては日本の大手家電メーカーで働いていたそうな。

私にとって「ドバイから去る」というのは一種の卒業のような感慨がある。多くの人が、働きにこのドバイという地にやってきて、数年を過ごして去っていく。決して彼らはドバイに愛着があるわけでもなく、定住するわけでもなく、あくまで短期なり長期なりで滞在をする場所がドバイなのだ。であるから必ず始まりがあれば終わりがある。まるで学校のように入学をしたら、必ず卒業の時期があるような感じである。


単身ながらも2匹のサールキと小鳥を飼っており、MBAの勉強と仕事、そして遊びもそつなくこなしていた。はたから見ていてすごいなあと思うばかりである。

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2匹のサルーキ。ハザーとティミー。最後まで私に懐くことはなかった。

私は未だに犬は飼いたいが、いつまでいるのかわからないドバイで動物を飼う気にはなれないし、飼ったとしても仕事で長時間留守にしてしまうから、そんな状況で犬を飼った犬ら迷惑だよなあと思う。そして結局一人暮らしで時々感じる心の空白を埋めたかっただけなんだなあと自分の身勝手さに落ち込むというのがいつものパターンである。

エヴァがドバイを去る前日。家でこじんまりとしたホームパーティが行われた。エヴァの数人の友達がやってくると聞いていたが、これは軽く10人はいるぜよ。そう、彼女は社交的で友人も多い。そんなホームパーティだから、生粋の内向的人間としてはいけしゃあしゃあと「どうも」なんていって、外人相手に社交術を繰り広げるなんてことはできないのである。

というわけで申し訳ないなあと思いつつも、部屋に引きこもっていると隣人のルームメイトが勝手にドアを開け、「こいつ引きこもってるぜ」なんてせせら笑いをされながら、強制的にパーティーに参加させられることになった(いや、強制的に引っ張ってくれてありがとうというべきか)。

もちろんエヴァ様にもお叱りを食らう。「シャイなんていうんじゃねえ。シャイなんかやめちまえ」とシャイ禁止を勝手に宣言される。彼女は「ああ、日本人はシャイなのね〜」といって優雅に放置してくれるような生ぬるい人間ではないのだ。

ごもっとも。このシャイのせいで、半ばいい人だけど変な振る舞いをする奴だと思われていることは承知である。実際これで何度か人間関係もこじれたこともある。しかしこの一言をきっかけに、「やべえ、シャイやめなきゃ」という意識が芽生えたことも事実である。

ドバイ出発当日は、ルームメイト全員でお別れ。エヴァは2匹のサルーキとともにドイツへ帰っていったそうな。しかし聞いた話によると、空港で彼女のパスポートを持った(人質にとっていた)会社の人事がおり、ちゃんとエヴァがドバイを出発するかどうかを監視していたという。これは仕事がないのに、不法滞在する外国人の滞在を防ぐためでもあるらしいが・・・

何年も勤めた会社で、最後まで疑われるなんて。最後までやってくれるわ、ドバイ。

そんなわけで、長年のドバイ滞在おつかれさまでした。そして、ドバイ卒業おめでとう!といいつつも早く私もドバイを卒業したいと思っているわけです。

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「ご自由にどうぞ」のエヴァが置いていった荷物たち

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ゲットした戦利品