会社を辞める時の引継ぎの作法

「あ、俺明日が最終出社日だから」といきなり最終出社日の前日に言われた時には、本当に鳩が豆鉄砲を食らったような顔になってしまった。同じチームなのに、なぜこのタイミングでいうのか全く理解ができなかった。

そりゃあ試用期間だから、別に即日やめてもいいわけだが・・・いつ辞めるって決めたの?と聞いたら、「あ〜今週の日曜日」て、決めてから実行に移すの早すぎるわ。それにしても、こういう場面を見ると日本と海外の責任感の違いを感じる。

まあ一応海外でも引継ぎというものは発生するが、結構見ているといいかげんである。私が思うに引継ぎというのは、次の担当者を独り立ちさせるまでが引継ぎだと思っている。なぜならミーティングをやっても、説明をしても、文書を作ったとしても、必ず次の担当者が一人でやった場合に、問題なり疑問が発生するからだ。


であるから、その担当者が一人で考えて仕事できるようになるまでに、サポートしていく必要がある。特に代理店なんかだと、お客さんの要望や性質というのもきちんと伝えないと、クライアント側からは、「前の担当者にいったのに引き継がれていないじゃないか!」と言われるのがオチである。

実際に今回もぐだぐだな引継ぎだったため、クライアントにそう言われた。

絶対こうした事が発生するとわかっていても、なぜかこちらの人はそうした用意周到な引継ぎというのはしない。その他の例でも、辞めるのは1ヶ月前にわかっているのに、引継ぎは前日にいきなり行うということもあった。恐らく彼らの感覚としては、自分は職場を離れるのでそれ以降問題が発生した場合は別に関係ないというスタンスなのであろう。そこまで責任はとらないよ、というスタンスは私にとっては結構衝撃的であった。

彼らを見ていて思うのは、おそらくAやBがこの場合発生しうるであろう、Aを出せばBを要求されるのでは?といった予測や推察をあまりしていないなということだ。空気を読む日本人独特なものなのかわからないが、とにかく日本人からすると突発的に行動をしている彼らを見ていると、なぜそうなることが分かっているのにそれを事前に回避しなかったのだろう?と思うことが多い。

仕事でこれが起こるのは痛いが、実生活においては彼らの物腰の軽い行動の方が柔軟であると思う。

何が正しいのかはわからないけれども、たかが引継ぎでもこんなに日本とではやり方、考え方が違うというのは勉強になる。世界にはルールとは言えない、何百通りもの方法があるのだと。その点では、やはり「これが一般常識でしょ」とよく言われる日本を少し離れて見て、良かったのかもしれない。