日本アニメ漫画って本当に人気なの?ドバイコミコン2016で調査してきた

ではお待ちかね、日本のカルチャータイムへ。企業ブース以外で一般参加者が集まるブースは、日本のコミケのような感じに似ていた。長机というブースの上で、自分たちの作品をアピールするという定番のスタイル。

がこの辺はやはり一般客参加が多いためか、なんとなくブースによってクオリティはかなりバラバラだった。そして、やはり企業絡みではないためか、心なしか集まる人も少ない。

一方で必ずしもアピールするものが、イラストやマンガだけに限らず、YouTube動画やアートに近い芸術作品みたいなものが出展されていたのが興味深かった。とりあえず個人の芸術をアピールする場になっている模様。


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版画・・・?

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ヘッド、フェイスドレス・・?主がいないので聞きようがない。

プロと素人が混在する漫画・イラストコーナー

個人的には、マンガよりも描いている本人がどういう人なのか気になっていたので、片っぱしから売り子らしき人に話を聞こうとするが、連日の長時間販売に疲れたのか、作者の友人だと名乗る人や中には本人は来ていない、中にはサウジアラビアにいるから来れないなどといった理由で作者不在のブースが多かった。

ドバイコミコンは3日開催で初日を除けば朝10時から夜10時までとぶっ通し12時間つづくイベントなのだ。そりゃ作者も疲れるわけである。

また感覚的には、男性よりも女性率が高め。エジプト、ヨルダン、UAE、サウジアラビアなどほとんどがアラブ諸国出身者だったことも興味深い。頭ではわかっているけど、いざとなると日本っぽいマンガをこのヒジャブを被った人たちが描いていると思うと、なんかギャップがあって面白おかしくなってしまうのである。

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彼女は一体何を思って、これをサウジアラビアで描いていたのだろう

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アラビア語なのでよくわからないが、シリアス学園モノ?

サウジアラビアの女性が描いた学園ものマンガ。サウジアラビアという国にいる人がこんな日本の学園ネタみたいなものを描いている!というどーでもいいギャップにやられて買ってしまった。しかし、ページ数とクオリティの割には高い。10ページほどで1200円という。まあでも芸術への貢献だと思って・・・

ドバイゆえなのか、全体的に商品の価格はまだ売り手の言い値によって付けられているような気がする。日本のマンガのクオリティと価値を知っているものからすると、高すぎると感じる。またマンガや芸術という歴史が浅いゆえか、先駆者が少なすぎるためか、かなりの素人レベルで堂々な値段をつけているケースが多いと感じた。

中には、中学生のお絵描きレベルの未熟すぎるものも平気で置いてあり、イラスト1枚1000円というありえない値段で売りつけるので、これには苦笑しかなかった。自信満々のアラブらしい。

というわけで、この国にもっとプロや熟練した文化の流入は不可欠だろう。競争無くしてやはり文化の発展はないと思うからだ。だが一方でこのレベルなら私がマンガ描いた方がいいんじゃね?というど素人のやる気を高める刺激剤になったことも確かである。

しかし宝というのはどんなところにもちゃんと探せばあるのである。

かなりプロオーラが出ていたのが(というかリアルプロだった)、こちらの作品。ちゃんとマンガの体をなしているし、しかも同じタイトルで5巻も出ている!さらに何冊かは売り切れ。ムム!これは売れっ子に違いないと思い話を聞くと、売り子さんは作者だった。

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自費出版のためかやはり1冊3000円とややお高め

彼女はヨルダン出身の漫画家、Deeさん。プロ漫画家になるまでは、漫画だけではたべれない日もあったけど、今では漫画だけで食べているらしい。おお、まさにプロ漫画家。ちゃんと出版社とも契約しており、スペイン語にも翻訳されたものが発売されているらしい。今度ヨルダンに行ったら、ヨルダンの漫画家事情がどうなってるのか根掘り葉掘り聞きたいところである。

ちょうど1巻が売り切れていたため、「2巻から読んでも話がわかる?」と聞いたら彼女はちょっと困った顔をして、「1巻ならネットで読めるわよ」といった。買おうとしている客を目の前に、わざわざ無料のネット版をすすめるなんて、いい人である。

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ネットで読めるDeeさんの代表作「Grey Is…」

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Deeさんの公式サイト

プロすぎて近寄りがたかったブース。これは絶対プロですやん。プロと素人の壁がでかすぎるわ。

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アメコミというやつですか・・・

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エジプト出身、現在はクウェート在住のMarwaさん

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繊細なタッチのイラストで見ているだけでうっとり

日本企業のブースは?

正直言ってそれらしきものを発見できなかった。唯一分かったのは紀伊国屋書店ぐらいである。かなりウロウロしていたはずなのになぜ・・・?

一方で圧倒的な存在感を出していたのが、一見すると日本のアニメグッズを売る日本企業と見せかけた中国の業者である。

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あまり売れてなさそうな福袋

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1本あたり4,000~6,000円と良心的な値段で販売されるアニメ小道具

突如雇われたという売り子の中国の女の子を冷やかして、あれこれと聞きまくる私。ドバイだからきっとこうしたグッズも高いことでしょうと思っていたが、そこはさすが中国。かなりお安く提供している様子。

ドバイでそこそこのクオリティのものがそこそこの値段で手に入るというのは、かなり貴重だ。こういう些細なところで、中国というのは世界の人々に役立っているんだなと思う。謝謝。

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まったくやる気なさげに大量のアニメグッズを前にたたずむ中国人のおっさん・・・

ずばりアキバ美少女系は受けるのか?

アキバにありそうな美少女系のグッズを販売するブースも見かけたが、近寄りがたいぐらい人がいなかった。また先ほどの中国ショップでも美少女系のまくらやお楽しみ袋を販売していたが、あまり売れてはなさそうなイメージ。

なので漫画が受けるといっても、いかにもロリコンっぽいものは日本特有であって、あくまで受けているのは冒険や忍者ものだったりするのかもしれない。

UAE発!日本ビジネス

見た瞬間、これはやられたと思った。なぜなら私が数ヶ月前に考案していたアイデアがそのまま体現化されていたからだ。定期便ビジネスと日本のお菓子をあわせた、「日本のお菓子ボックス」ビジネス。

すでに他の国でもやっているし、さほど新しいビジネスでもない。が、なんでもありやったもん勝ちのドバイにおいては、私のようなど素人でも何かしらやろうとすればなんでもできちゃう国なのだ。成功するかしないかは別として。

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ナルトのコスプレをして売る売り子たち

やられた!という思いと一体どういう風な仕組みになっているのか?ということが気になりさっそく鼻息を荒くして、売り子さんに突撃取材。

するとどうやら姉妹で最近始めたビジネスらしい。ビジネス発起人の一番上の姉(不在)が、日本に行った時に日本のお菓子に惚れ込み、UAEで売っちゃえ!というのがきっかけ。

ちなみにお菓子だけでなく、日本のチーズケーキに惚れた!とかで、日本のうまいチーズケーキを紹介された。しかし私は知らなかった。一見するとごく普通のチーズケーキなのだが、形や層が違うとかで興奮しちまったらしい。

チーズケーキ革命!焼きたてチーズタルト専門店PABLO_パブロ__and_Picasa_3
エミラティ女子が惚れたチーズケーキ1「パブロ チーズケーキ

素材にこだわる手作りチーズケーキ_お菓子___てつおじさんの店
エミラティ女子が惚れたチーズケーキ2「てつおじさんのチーズケーキ」

ネット販売は?店舗もあるの?などとずけずけ質問を投げかけると、コミコンでの出店が初めてのお披露目だという。ずっこけそうになった私の横で、エミラティレディーたちが、興味を持ってボックスをお買い上げしていく。あ、売れるんだ。

とりあえず思いついたら吉日でなんでもやっちゃえ、ということですな。

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地元のアーティストが描いたイラスト付きのボックスで販売

ぶっちゃけ儲かってます?というゲスな質問をしてみた。すると、今はまだ厳しい状況とのこと。1ボックスあたり、約3000円で販売しているのだが、それでも利益はほとんど出ていない状態らしい。日本のお菓子を輸入するにあたって、中間業者や関税でかなりとられているのだとか。

まあ面白そうだけど、大変なこともあるみたいです。

ノスタルジーにハマりすぎた男の店

歴史、古いものがなさすぎて逆に古いものに過度な反応をしてしまうドバイ病にかかった男がここにもいた。店を見渡すと、とにかく古いアニメグッズで溢れかえっている。私の親世代でも知らないのでは?というぐらい古いアニメグッズが並んでいる。

こ、これは一体?と中にいた主に聞くと、主は日本の古いアニメグッズを集めるコレクターだった。「今、ここに置いてあるのはほんの一部さ。家や店にはもっとたくさんあるよ」と自慢げに語ってくれた。今後ドバイでも店を出店する予定なのだとか。

ドバイのコスプレーヤーたち

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大人がコスプレをする日本のコミケとは違い、ちびっこ、家族の参加率もかなり高いドバイでは半ばコスプレというよりも仮装状態になっていた。がよく見るとそこそこのコスプレーヤーたちもいた。

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おなじみのワンピース。右はロードオブザリングですって。世界観が違いすぎてロードオブザリングはわからなかった

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もっとも簡単にできるであろうコスプレ、魔女の宅急便キキと浴衣

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キキなので「飛んでください」とお願いしてみた

コスプレは漫画よりも、ゲーム、映画系がとにかく人気だった。バッドマン、スパイダーマンなどなど。日本人からするとイマイチピンとこないものがドバイではウケるらしい。

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すごい自然すぎて普通の人は多分気づかないよね?ハマりすぎていた君にコスプレ大賞あげちゃう

 

子どもがハマる懐かしの日本カードゲーム

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囲碁か将棋でもやっているのか?というぐらいこじんまりとしたスペースで、熱心にポケモン、遊戯王カードゲームに興じる子どもたち。さきほどの大人向けカードゲームの盛り上がりとは金も盛り上がりもまったく違う。

ドバイコミコンの感想

ドバイのコミコンはまさにドバイにふさわしく東洋と欧米の潮流が混ざり合った、国でいうならばヨーロッパの影響をかなり受けながらも、アジア気質もあるトルコみたいな感じであった。それは決して、欧米の映画、ゲームだけではなりえないし、日本の漫画、アニメだけでも成立しないものである。

そして感覚的には若干、日本メディアが礼賛するほど日本漫画、アニメは人気でもないなーということ。もしかすると、企業ブースが圧倒的にでかく、人を集めており、同人ブースがもの寂しげだったせいもあるかもしれないが。その辺はやっぱり金主義のドバイらしさでもある。あくまで文化というよりもマネーなのさ。

唯一コミコンで後悔したのは、浜田ブリトニーに会い損ねたことである。なんとコミコンに参加して、似顔絵を描いていたということをたまたま発見したブログで知った。これほど後悔したことはない。ぐわー同じ会場にいながらどうして見つけられなかったんだ!!!!と。