飲み会に行くことを諦めた日

会社にこんな張り紙が貼り出されていた。「今月のバー。◯◯にて」。酒が安く飲める日をお知らせしているらしい。まあ、社交的な場にはあまり関係がねいと思った私にとっては、壁と同一化した紙切れにしか見ていなかった。

しかし、社内の盛り上がりは予想以上で「おい、今日行くか?」などと点呼を取り始めている。ここで重要なのは、質問ではなく、若干強制的な意味も含めて本当に点呼をとっていることである。そんなわけで私も点呼の対象になってしまい、いつもの調子で本当は(酒は飲みたいが)飲み会には行きたくない、でも断ったら社交性ないと思われる、などとアンビバレンスな自分との会話の結果嫌々ながら「行くわ〜」といってしまった。


そしてその後には決まって、「ああ、どうしよう。行きたくないな」と思うのがパターンなのである。

もう一つ日本の飲み会以上に行きたくない理由が、英語がイマイチわからないからつまらないという理由である。おいおい、半年以上も働いてそれかよ、と自分でも突っ込みたくなるのだが、バーという若干うるさい中でしゃべられるとイマイチ聞き取りにくいし、大体海外だと3~4人のグループになって話すので、1対1の会話を好む内向者にとっては、若干の苦痛が発生する。

そう、酒だけだったら楽しいが、この英語と社交という2つの痛みが伴うため、両手万歳で「いやった!飲み会!」と言えないのが残念なところである。

飲み会に行くと決めた後は、マリッジブルーならぬ飲み会ブルーという症状が発生する。具体的な症例としては、軽度の「行きたくない」が断続的に脳内に発生し、うじうじしてしまうものがあげられる。そうした飲み会ブルーになっている私をよそに、既婚者&子どもがいる組は、「行かないわよん」とあっさり断り帰っていく。

そうか、ああやってさっそうと断ればよかったんだなと後悔。しても遅し。

飲み会数時間前に、張り紙で場所を確認してみると、なんとここから徒歩+電車で30分以上もかかる場所にあるではないか。ますます飲み会ブルーがひどくなる。

さて飲み会時間が近づくとどうなるか。普通であればみんなで連れ添って歩いて会場に出向くのが普通。だが、ここでは、各々仕事が終わった人から会場に向かうというシステムらしい。しかも自家用車やらタクシーやらで。が私はそのような手段は持ち合わせていない。他のを人を誘ってタクシーに乗る手もあるが、いやあタクシー内での会話とか考えちゃうとなんか恥ずかしくてできないわ。

会社を出てハタと考える。ここから歩いて電車に乗ってまた歩いて・・・ん?ここにきて、飲み会会場へと徒歩でいけないことにめんどくささを感じてしまった。

家に帰った方がはえーじゃん?

よし、帰ろう。

ということでその日はさっさと帰りました。しかし、飲み会メンバーの中にアラブ人がいたので、あれ?あいつらアラブなのに酒飲むの?ちょー気になるんですけど。という好奇心に駆られて一瞬飲み会へ行こうと思ったが、めんどくささとこれから起こる英語+社交の2大苦痛が勝り家路へと足をはやめた。

その夜、「こなかったから寂しいじゃん」みたいな顔した写真が送られてきて、その写真は内向的な自分の繊細な心を軽く傷つけた。「ああ、もっとも裏切ってはいけない人たちを裏切ってしまった」と。

翌日も「どーして昨日こなかったんだよー」という最もいただきたくない反応をいただく羽目になった。やっぱ内向的人間が無理して社交の場に行こうとして中途半端なことしたら撃たれるわ、と思った一件。ドバイで飲み会も楽じゃないよ。