日本と海外で違う残業への反応の違いに驚愕

異常事態発生。朝、会社につくと社内は騒然としていた。「ちょっと、あーた昨日夜の2時にメールしてたけど大丈夫?」。こう同僚から声をかけられた時は、私の頭は疑問符でいっぱいだった。2時だけではなく、夜の10時ぐらいにメールを送っただけでも社内が騒然とするということに最近気づき始めた。この反応はただごとではない。

確かに今働いている会社では9時にはほとんど人がいなくなり10時には完全に人がいなくなる。大半の人は6時の定時に帰るのが普通。そんな中、上司が2週間の休暇をとり14のマーケットの広告キャンペーンを新たに担当することになった。これは1人ではちょっと無理かもなーと思いつつも、なんとか必死で食らいつこうと思いやってきたら、上記の通り帰りも遅くなり文字通り、ご飯もゆっくり食べることすらもできないような超多忙な日々となった。


ちなみに私は今まで人生で働いてきた中でサービス残業も深夜残業もしたことはない。定時にはさっさと帰る人間である。

そんな様子を見かねてか、オバマ似の上司の上司は「仕事の調子はどう?忙しかったら手伝うから。」「今日は何時に帰れそう?」などと過保護とも取られかねないような心配をしてくる。たかが10時とか2時に帰るぐらいで何をそんなおおげさなとこちらとしては、ちょっと半笑い対応だったのだが、オバマは真剣だ。

一方他の同僚は、「会社に住んでるみたいだな。ガハハハ」などと8時以降の残業が続くだけで、もはや会社の主(ぬし)呼ばわりである。日本だったらそんなの当たり前すぎて誰も何も言わないのが普通だったので、逆にこんなに心配されるとは・・・この反応の違いに驚きである。

中には「今日は飲み会だから、会場へ行くぞー!」といって強制的に作業をしている私のパソコンを閉じて「はい、仕事はここまで!」といってくる輩まで出現するほどだ。

そしてさらに「今週はあいつとこいつは時間あるから彼らに仕事を振ってみて!」とか終いにはウクライナ人の同僚は、定時に帰れるように「今日の仕事はあと何が残っている?それだったら今日やらなくてもいいよ。こうメールしておけばOK」みたいに、ノー残業のためコーチングをしてくれる始末である。

そんなコーチングと周りの助けにより、3週間ほど休日なし、深夜残業で働き続けた日々はあっけなく幕を閉じた。そしてようやく定時に帰れるようになった時には、同僚とハイタッチで「やったぜ!」と声を掛け合う、なんだか青春ドラマのようになっていた。

日本では当たり前の残業。それがこちらでは「異常事態」として扱われるということが発覚した。残業というプライベートを犠牲にしてまでも、仕事に打ち込む姿は日本では「よく働いている」「頑張っている」ともとられるが、こちらでは「仕事抱えすぎ」「やばい」と思われるらしい。

このようにして残業は悪しきものとして、ことごとく同僚や上司たちによって撲滅されるのである。

あまりにもオバマが過剰に心配をするので、「なぜそこまで社員が残業しないようにするのか」と聞くと「それはみんなのワークライフバランスを守って、気持ち良く働いてもらうことが重要だからさ」というかっこいい名言をさらりとのたまわった。

日本だったらまずルールでしょ!ということで「ノー残業デー」とか「朝はやくきて仕事したら朝食無料!」みたいな制度をまず作ってから動くのに・・・これがルール社会と呼ばれ、柔軟性があまりない日本と呼ばれる所以なのだなと一人納得。

たかが残業するだけで、こんなに注目を浴びるとは思ってもいなかったので「残業をしないというプレッシャー」が重くのしかかる。夜中にメールを送るのもためらわれる。がすでに強制的に定時に帰るよう仕込まれてしまったので、これからはちゃっかりと定時に帰ることとしよう。