海外で働いて驚いた!日本人と海外の人の仕事観の違い

ドバイで働いてだいぶいろんな人とも働いてきたので、ある程度日本以外の人はこういう風に働くのだなというのがおぼろげながら見えてきた。

ということでサンプル数も十分に取れたので、堂々と日本人と海外の人の仕事観の違いについて語ってみたいと思う。

はじめに言っておきたいのは、あくまで私個人がドバイで体験した、思ったことであり必ずしも海外全般に一般化できるものではないということを言っておく。海外を一般化したがるのは、島国ニッポンで育った純ジャパのクセなのです。

忙しくても昼飯はしっかりとる

もちろん日本でもしっかりと昼食1時間を取る人はいただろうが、前職だと忙しい時には自席のデスクでコンビニ弁当でささっと済ませる、といった人も結構いた。

また私が読んできた空気によると、忙しい場合には昼飯をスキップしてでも、仕事を優先して終わらせるべきというものだと思っていた。

別に苦痛だとは思わなかったが、私もそういう性格だったので、初めてのドバイの会社でミーティングを押してでも、自分のスケジュールにしっかりと昼飯時間を1時間とっている奴には驚いた。

具体的には、「1時からはランチにいくからその後でね」と緊急性のあるミーティングなのにそう言われた時はたまげた。アルマゲドン!

しかし最近彼らにならって、試しに1時間ぐらいたっぷりと外ランチに行ってみる習慣に切り替えてみた。すると結構気楽である。

たった1時間の昼食でこんなにリフレッシュできるとは!社会人4年目にして知った初めての事実。というわけでそれ以降は毎日ランチに出かけている。

8時ぐらいには皆オフィスから退散

日本だと、「終電帰りだったよ〜」なんて会話がよく聞かれるがここドバイではそれは異常信号を示す発言である。終電間際まで仕事する人は皆無なのである。

忙しいと言われる広告代理店で働いてみて、一度9時頃まで残業してみたことがあるが、周りを見渡すと人は皆無。皆8時ぐらいには退散してしまうらしい。大半の人は定時きっかりに帰る。

それを見て、ぼっち残業がトラウマになったので8時前には帰宅するようになった。嫌だ!最後の一人になりたくない!という思いが強かったのである。海外で残業をすることは、罰ゲーム感が半端ない。

残った分は家でやるかまあ明日でいいか、というなんくるないさ〜精神でやり過ごすのである。日本だったら残っている人もたくさんいたので、そんな残像が目にちらついて懐かしくなる。

日本の残業はさぞかし楽しいに違いない。一人で残業するのとみんなで残業するのとでは、楽しさが違う!

ちなみに上司や忙しそうな人を見ていると、7~8時頃には帰宅しているがどうやら家や休日にやっている模様。

飲み会よりもランチ会

ドバイに来て会社の飲み会何回行った?7ヶ月でゼロである。我ながらに衝撃的な数字である。いや誘われなかったわけではなく、本当に飲み会がなかったのである。

歓迎会なんかは大体ウェルカムランチになるし、退社後飲みに行くとしても軽い感じで、その辺にいる人に当日に「飲みに行くべか?」と誘われるぐらいである。

日本では常に歓送迎会をランチにすればいいのに・・・と思っていたので、これは画期的なアイデアであった。

飲み会がないから打ち解けにくいかというとそうでもない。大体海外の人は飲み会でもランチでも仕事中でも打ち明けまくっているので別に飲み会がなくても、普通に打ち解けるのである。

だから酒と飲み会の力を借りなくてもいいのだ。それに飲み会だと、会社としての拘束時間も長くなるしね。

残業すると心配される

7時ぐらい(定時は6時)までいると、上司に「緊急じゃないんだったらもう帰りなさいよ」と帰れコールをたまに受ける。

これはある意味で衝撃的だった。「帰れ帰れ!」て。日本じゃありえないよ!?その上司が優しいだけなのかもしれないが、なんか嬉しかった。

また残業をしていると「何をやっているのかね」とオバマ似のイギリス人上司にチェックされることもある。これは、残業に価することをやっているチェックなのか・・・?となぜか焦りを感じてしまうことも。

オバマが半径1メートル内に出現すると、途端に緊張で心拍数があがるので嫌である。

ある時は、ドラゴンボールのポポというキャラクターに激似のインド人に、「会社の近くから駅に行くまでのバスが出ているよ」などと聞いてもいないのに、帰宅情報を教えてくれる人もいた。親切なのはありがたいが、なぜこの場面でそんなことを言うのかというギャップが笑えた。

ちなみにこのポポは、ちょいちょい聞いてもいないが役に立つ情報をくれる、ゲーム内でいうところのお助けキャラなのだ。しかもポポなので、見るたびに癒される。

年功序列よりもジェンダー

海外男性はジェントルマンだ!というが、ああこれかと身をもって最近分かるようになった。日本だと女だろうが男だろうがジェンダーに関係なく、役職が上の人、年上の人をたてるのが基本。会議室を出る時やエレベーターでは、年上の人や役職が上の人を先に通すのが普通。

しかしドバイだと、女性>役職=年齢と圧倒的に女性パワーが強い。役職が低くても年齢が低くても最低限女だと、丁寧に扱われる。

なので年上で役職が上の人が、エレベーターやドアを譲ってくれた時には、「は!ジェントルマンの心意気に応えなくては!」と思い、むずがゆい思いをしながら先に通るのである。

このような扱いを今まで受けてきたことがないため、なんとなく気恥ずかしい思いをするが、このジェントルマン性にやられて海外男になびく理由もよくわかった。

と同時にこうして日本のビジネスの基本が抜けていくんだなあとも思う。ドバイへの適応は、逆に言えば日本への不適応でもある。日本でもはや働けないんじゃないかと思う日々である。

上記に述べたのはあくまで私が感じた違いであり、現時点でどちらの方がよいとは言えないし、どちらが好きかとも言えない。

両方に心地よく感じる部分、そうでない部分があるので、過激なメディアや発言のように「日本は残業しすぎだ!海外を見習え」的な論調はどうかと思う。

ただ個人的には、ドバイに来てから少しリラックスして仕事ができるようになったような気がする。日本では私の性格もあり、かなり根詰めて仕事は仕事じゃ!というような方法で仕事をしていたからだ。あれはあれでちょっと辛かった。

ドバイに来て、もう少し普段の生活に近い形で気楽に(決して怠けているわけではない)仕事ができるようになったので、それはそれでよかったなあと。違いを知ることで、よりよい働くスタイルを見つけられたのでそれでいいんじゃな〜い?

海外で働きたい・働く人へのおすすめ本

開高健ノンフィクション賞受賞作家による本。パリの国連で働いていた著者が、現地で活躍する日本人のストーリーをまとめたエッセー。フランスやパリというワードに興味がない人でも、楽しめる。

海外で働いていて、最も救われた本と言っても過言ではない。言葉ができないから、文化が違うから、と言って片付けてしまいがちなことでも、ちゃんと理由があるということを教えてくれる。海外で働く人のバイブル。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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