ドバイスークを楽しみ尽くすポイント&値切り方を伝授

ゴージャスなイメージとは裏腹に、下町感漂うスポットもドバイには存在する。

それがデイラ地区とバー・ドバイ地区。都心部のニュー・ドバイに対して、オールド・ドバイとも呼ばれる。

同地区には、様々なスークや伝統地区がひしめいており、都心部のドバイとは違った雰囲気がある。豪華なドバイもいいけど、人情味溢れる場所にも訪れてみたいという人におすすめの場所だ。

世界最大の金の指輪がある!ゴールドスーク

ドバイといえば一番有名なのがこのゴールドスーク。とにかく金の装飾品を扱う店が並ぶ。多くの金はインドから輸入されたもの。

キンキラキンに輝くゴールドスーク、見ているだけどもなぜか金持ちになった気分になれる。


観光の目玉にもなっている世界最大のゴールド・リング。ギネスにも登録されている。

ゴールドスークは、金だけでなく、様々なジュエリーも取り扱っている。ダイナミックなデザインが多いが、中には日本人好みの小ぶりなデザインもあるので、じっくりと見る価値はありそうだ。

金にしても、ジュエリーにしても本物?と思ってしまうが、スークに入っている店はどこも政府の管理下にあるので、安心して買い物ができる。

ゴールドスークでは嫌な客引きは基本ない。しかし、近くのお土産ショップに引き込もうとする輩や、「レストランどう?」などと聞いてくる輩もいるので要注意。

世界一高いスパイスもお得に買える、スパイススーク

スパイスを中心に扱う店が立ち並ぶスーク。アラブ料理やインド料理に使われるスパイスから、食器や雑貨など現地の人も買いに来るような日用品の店が並ぶ。

注目したいスパイスといえば、サフラン。パエリアの上にちょろっと乗っているアレである。実はサフランは、世界一高価なスパイスとも呼ばれている。

サフランを使った料理といえば、スペイン料理のピラフが有名だが、ドバイではコーヒーのスパイスとして加えることもある。


糸状のサフラン。全体的に赤色をしているが、黄色もやや混じっている。黄色の割合が少ないほど、高級品となる

クレオパトラが求婚者と顔合わせをする前に、サフランを入れた馬乳の風呂に入っていたとも言われている。古代から愛される高貴なスパイスらしい。

その他にもアラブ・コーヒーに欠かせない、カルダモンやクローブなども手に入る。私がちょうど訪れた店はイラン系の店だったので、店にはイランからの輸入品がところ狭しと並んでいた。


スパイスショップで購入したアラブ・コーヒー、スパイス一式とローズ・ウォーター

パシュミナやワンピースをゲットするならここ!テキスタイルスーク

ドバイテキスタイルスーク

その名の通り、布を扱うお店が並ぶ。カンドゥーラやシルクなどさまざまなスカーフなどがあり、旅行客には人気のスポットだ。

注意したいのは、店先に立つ売り子たちがかなりアグレッシブだということ。

道行く人に布をかけて店に引きずり込んだり、行く手を塞いで押し売りをされたりと手口が荒いのだ。このような背景には、売り子たちも上司が定めたノルマを達成しなければいけないという焦りにかられて必死なのである。

しかし、いったん中に入ってみると、お水を出してくれたり「あれが欲しい」というものを探してきてくれたりして親切な接客が待ち受けている。

根はいいやつなんだが、どうもノルマ達成には手段を選ばない人たちなのだ。

掘り出し物も見つかるかも?オールドスーク

スパイス・スークと併設しているので、微妙に場所がわかりにくいオールド・スーク。スパイス・スークを奥へ進むと、食器やら骨董品などの店が見えてきたらそれがオールド・スークだ。

オールド・スークは道幅がせまく、薄暗いので半ば迷路のよう。ここも客引きが激しいので、裏道を通りながら切り抜けよう。

中国人向けのビザが緩和されて以降、中国からの観光客は増加傾向にある。それとともに、アジア人とわかると「ニーハオ」と声をかけられることが多い。

でも気を悪くしないでほしい。確率的に考えれば中国人の方が多いのだ。

それに彼らも商売に必死なのだ。中国からの団体観光客を前に、自前で作った中国語の看板を中国語で読み上げるパキスタン人をみたことがある。たまげた商売魂である。

理由を知ればすっきり!海外で「ニーハオ」と言われ違和感を感じる人へ

オリジナル香水が作れる!パフュームスーク

パフューム・スークは上記のスークと違い、ここがパフューム・スークですよ!という看板があるわけではない。ただ香水屋が多く集まるエリアをパフューム・スークとよんでいる。

ドバイパフュームスーク

手軽に香水を楽しみたい、という人にぴったりなのがこの場所。スークにある香水屋に入ると、何十種類もの香水が並ぶ。中にはシャネルやディオールといった高級香水もある。

店員にイメージと好みの香りを伝えれば、その場で調合してくれる。価格は小さめの小瓶で25 AED〜100AED(750円円から3,000円)ほど。


香水ボトルもシンプルなものからカラフルなものまで。

香水屋では、アラビアンちっくな香水瓶も売られている。1つ300円程度とドバイの物価を考えれば破格である。それでありながらクオリティは結構高い。

ドバイのパフューム・スークで香水瓶&オリジナル香水を買ってみた

ちなみにパフューム・スークあたりには、手芸屋さんも多い。

カラフルな生地が店頭にディスプレイされていて、手芸をやる人には嬉しい場所かもしれない。

アバヤやカンドゥーラが買える、ナイーフスーク

個人的にはナイーフ・スークもおすすめ。他のスークと違い、屋内型のスークである。

ドバイは冬でも日中は汗ばむし、夏はもはや外に出ることが困難なので、室内で買い物ができるのはありがたい。さらに、強引な客引きもいないので、ストレスフリーで買い物ができる。

ゴールドスークやオールドスークからは、やや離れており、徒歩15分ほどの場所にある。

それに観光客というよりも現地の人、もしくは他のアラブ諸国からきている観光客が多く、ちょっとしたローカル感がある場所なのだ。

1つのジャンルに特化しているというよりも、オールジャンルを扱っているのがこのナイーフ・スークの特徴。

この地域の伝統衣装、アバヤやカンドゥーラを取り扱うショップもあれば、香水やウードと呼ばれる室内フレグランスを扱う店と様々だ。

雑貨やお土産を買うなら?

ゴールド・スークのメイン通りから1本それた裏道や、オールド・スークなんかではランプやエスニックな靴などが買える。


スークでよく見かけるカラフルなパシュミナとフラットシューズ

どの店に入ったらいいか分からん!という人には、アル・ラス駅前のお土産ショップをおすすめする。

黄色い大きな看板が目印。比較的大きな店なので、客も多いので自分のペースで買い物ができるのがよい。デーツ、ナッツ、コーヒー、ばらまき用のお菓子などがすべてそろうからありがたい。

【決定版】ドバイ土産総まとめ!ばらまき用から定番土産を徹底紹介

値段がない!?スークで値切り方

スークで気づくのは、どの店も同じものを売っていて、値段が書いていないことである。結局どこで買うのがお得なの・・・?という状況に陥りやすいのがスーク。これはアラブ諸国のスークではよくある光景。

個人的な経験から言えば、スークで売っている商品の値段は店主との掛け合いと交渉力で決まると言えよう。逆に言えば、自分で値段を決められる、ともいえる。

相場が知りたければ何件かまわってみるとよい。それから、実際に値段を聞く。そこからが交渉スタート。

この値段で買いたいな~という値段よりも少し低めの値段をいってみる。それじゃあ安すぎる!と向こうは言うので、「じゃあ別の店に行くわ」というとちょっと待ったあ!となる。

これであらかじめターゲットにしていた値段と同じ、もしくは低めで買えれば成功である。

店によっては、たくさん買うとまけてくれる(必ずこちらから言う)こともあるので、1つの店でまとめて買うようにした方がよい。

しかし、スパイス・スークやテキスタイル・スークは定番の観光地。客引きも相当なもんである。当然、売り子達も観光客と分かればちょっと高めにふっかけてくる。彼らにとっては普通の商売なのだが。

そこでおすすめしたいのは、表に面している場所よりも裏路地。もしくは地元の人(黒いアバヤや白いカンドゥーラをきている)がいる店で買うのがコツ。

中東を旅行する人必見!アラブ人直伝ぼったくられないための値段交渉術

おすすめランチスポット

ゴールドスークやオールドスークがあるデイラ地区は地元人向けの飲食店が多く、観光客が気軽に入れる場所が少ない。

スークを散策した後に、ランチやお茶で休憩をするなら、バー・ドバイ地区が便利。テキスタイル・スークやドバイ博物館から徒歩10分ほどの場所にある。

アラビアン・ティー・ハウス (Arabian Tea House)

アラビアンティーハウス

観光客に人気の高いレストラン。観光シーズンはいつも観光客でにぎわっている。
ドリンク、デザート、フードメニューともに充実している。UAEの伝統的な料理が食べられることでも知られている。

ドリンクを頼むなら、レモンミントジュースがおすすめ。さっぱりして、ドバイ観光をした後にはぴったりの飲み物である。

XVAカフェ (XVA Cafe)

XVAカフェ

軽くドリンクだけという人には、アートギャラリーが併設したこちらのカフェもおすすめ。

屋内テラス式のカフェは、広々としていて落ち着いた雰囲気。やってくる人もどこか洗練された感がある。

アル・ウスタッド・スペシャル・ケバブ(Al Ustad Special Kebab)

安くてお腹いっぱい食べたいという人はこちら。バスタキヤ地区から歩いて5分ほどの場所にある。

短いドバイの歴史の中では、老舗中の老舗。ドバイの王族も来たことがある。観光客だけでなく、地元民にも愛されるイラン料理レストラン。コスパに優れた店である。

安くて美味い!ドバイで人気&おすすめのB級グルメレストラン13選

アル・シーフ地区 (Al Seef)

アル・シーフ地区_ドバイ

バスタキヤ地区の隣にある、比較的新しい観光施設。オールドスークやテキスタイルスークを新しくしたような場所。ディズニーランド感がしなくもない場所である。

お土産ショップや、レストランなどが集まっている。スタバやアイスクリーム屋といった軽食系の店から、がっつりと食べられるレストランなど20店舗ほどの飲食店が集まっている。

金曜日の午前中は要注意

金曜日はイスラーム教の休日にあたる。いつもは活気があるスークでも、金曜日の午前中はゴーストタウンのように、街が静まり返っている。

ゴールドスーク、オールドスーク、ナイーフスークは、金曜日の朝から空いている店も結構ある。営業しているのは4割ほどだろうか。

一方で、パフューム・スークになるとほぼ店がやっていない状態である。

金曜日の朝でもゴールドスークやオールドスークの主要な店は空いている。それなりに楽しむことはできるが、それでも活気に欠ける。せっかく街に繰り出したのに、ちょっとがっかりな感じもしなくはない。

街が再び活気づき始めるのは、金曜日の夕方からである。

この時間帯になると、現地のアラブ人も買い物にやってきたりする。金曜日のみならず、ドバイの街が活気を見せるのは、夕方以降なのだ。

ドバイの日中は日差しが強く、人々はあまり外にでない。人々が活動を始めるのは、日がくれてからである。一般的にドバイでは夜型の人の方が多いといえよう。

スークの営業時間

どのスークも深夜近くまでやっている。特に夜の方が活気があるのがドバイ。理由は先ほどの通りだ。

夜にスークを歩いても大丈夫?と不安になるかもしれないが、ドバイの治安は昼も夜も変わらない。観光客も安心して、夜歩きができる。

一応スークごとに営業時間というものがあるが、特に金曜日は店によってバラバラである。

平日(日曜日から木曜日)の営業時間
ゴールド・スーク:朝9時〜夜10時半
スパイス&オールドスーク:朝10時〜夜10時
パフューム・スーク:朝9時頃〜夜10時頃
ナイーフ・スーク:朝8時〜夜11時

金曜日の営業時間
ゴールド・スーク:朝9時〜夜10時半。午前中は閉まっている店もある。
スパイス&オールドスーク:朝10時から。午前中は閉まっている店もある。
パフューム・スーク:午前中はほとんど店がしまっている。正午すぎから夕方にかけて、多くの店が営業を始める。
ナイーフ・スーク:朝8時〜夜11時。正午頃には店が一時的に閉まる。

ラマダンやイスラームの祝日の日には変更する可能性があるので注意。

スークへの行き方&おすすめルート

スークの最寄駅はいくつかあるが、以下がすべてのスークをまわるオススメルート。

このあたりは道路も比較的狭いので、行きはタクシーで行くのもありだが、帰りはなかなかタクシーがつかまりにくい。徒歩かメトロでの移動がメインとなる。

まずはバニヤス駅から徒歩15分ほど歩いてナイーフ・スークへ。それからパフューム・スーク→ゴールドスーク→スパイス・スーク&オールド・スークに向かう。

それから「アブラ」と呼ばれる渡し船で対岸へ渡る。船賃はたったの1AED(約30円)。アブラの駅からテキスタイル・スークの看板はすぐに見える。

そこから観光スポットになっているバスタキヤ地区を見て、アル・ファヒディ駅まで向かうというルートだ。逆のルートもありだ。

上記のスークをがっつり巡ろうとすると、3~5時間はかかる。時間がない人は、アル・ラス駅から出発して、ゴールドスーク&スパイス・スークだけを見てまわるというルートもあり。

各スークの最寄駅と徒歩での距離

ナイーフ・スーク
バニヤス駅(グリーンライン)。ナイーフ・スークまで徒歩15分ほど。レッドラインのユニオン駅からグリーンラインに乗り換える。ユニオン駅からも歩けるが、徒歩20分以上はかかる。

ゴールド・スーク&スパイススーク
アル・ラス駅(グリーンライン)。いずれのスークまで徒歩10分ほど。

テキスタイル・スーク
アル・グバイバ駅(グリーンライン)もしくはアル・ファフィディ駅(グリーンライン)。いずれの駅からも徒歩15分ほど。アル・ファフィディ駅へは、レッドラインのバージュマン駅で乗り換え。

街ブラが楽しいオールドドバイ

オールド・ドバイの魅力はスークだけじゃない。自分の足でぶらぶらと歩いて街散策ができることも特徴だ。

そもそもドバイは車社会なので、こうした街歩きをできる場所が限られている。


顔にドロパックをしたまま買い物をするアフリカ系の観光客

それに人情味がある。スークは観光客対応しかしいない奴が多いが、スークを外れて街を彷徨うと、まあ面白い人々や光景によく出くわす。

行くたびに街並みや、行き交う人々も変わる。そんな発見をするのが面白い場所なのだ。

ドバイ旅行おすすめ本

ドバイ旅行の最新情報を得るなら、るるぶがおすすめ。

ドバイ旅行人気記事

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

管理人をフォローする
ドバイ生活ドバイ観光
シェアする
進め!中東探検隊