どどどどうしよう!?ものすごく困惑した上司からの任務

新しい会社で働き始めてそろそろ1週間ほど経とうとする頃、部署のお偉いさんから呼ばれた。お偉いさんといっても、いつもニコニコしており服装に気を使わないのか、たまにヨレヨレのTシャツを着ている不思議な人である。とはいえ英国紳士なオーラが出ているので、清潔感に欠けているというよりかは、逆になじみやすさを醸し出している。

昔からいつもニコニコしている人を見ているとどうも胡散臭く思ってしまう傾向がある。だって、真面目な話をニコニコして話すなんてちょっと違和感があるじゃん?

例えるならブレイキングバッドに出てくるメス帝国を裏で牛耳る「ガス」に、Old SpiceのCMに出てくる俳優の陽気さとマッチョ感を足した感じである。肌の色も坊主の具合もしっくりくるぐらい似ている。



男性向け制汗剤、「Old Spcie」のCMに出てくる俳優

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海外ドラマ、ブレイキングバッドに出てくる闇の帝王「ガス」ことグスタボ

一方でもしかしたらこの人はゲイなんじゃないかとも思う。別に差別的な意味はないが、なんとなく数年前から搭載された私のゲイレーダーが微細ながら反応するからだ。というより、なんとなくマッチョはとりあえず疑ってかかるのだ。

新しく入ってきたことを案じてなのか、この1週間どうだったかなどを聞いてくれる。それはそれでありがたいし意外でもある。

「まだ1週間なので、慣れるには時間がかかると思いますが、それでももうちょっと業務を効率的にやる方法があるんじゃないかと思います。」

というと、

「そうか。ならばそれをパワポ数枚でまとめてくれまいか?もちろん現在の課題と提案のセットでだ」

一瞬マジか?とたじろいだが、自分の意見を聞いてくれるという姿勢が嬉しくこちらに関してはちょっとやる気満々で、OKと答える。

一方で、ものすごく困惑したのは次のミッションだ。

「いつもランチはどうしているのかね?」

「インド人(全員の名前がわからない)達といっています」

今思うと人種でくくるのは非常に失礼だなあという失言をしてしまったなあと思うが、それ以上に彼らのグループをもっとも端的にうまくいう表現が思いつかなかったのである。

「ほう。そうかい。それは主にAクライアントのチームだな。そこだでだ。君にはもっとAクライアントチーム以外のメンバーともコミュニケーションをとってほしいから、なるべくランチは別のメンバーに声をかけて行ってみてほしい

ひええええええ!?いくら仕事だといってもこれは超内向的人間にはどぎつい任務である。仕事であまり関わりがない人と打ち解けるほどの社交性を持ち合わせてはいない。しかも、なぜ誰とランチを食べるかを指図されにゃいかんのだと反感を覚えるとともに、体から苦手なものを拒絶するオーラがじんわりと出ていたような気がする。そのオーラを抑えつつ、肯定的な相槌を打ちながら心の中で、別のメンバーたちの面々が思い浮かべる。

アラブ顏なのに流暢なイギリス英語を話し、アラブ男子の中で流行の髪型を取り入れているリア充アラ男。パリからやってきて昼間はリア充アラ男と一緒に寿司を食べに行っているしゃれおつフランス女子。その他意外にも真面目に働く謎のアラブ男子数人・・・

毎日インド人たちとインドカレーを食べている私とどうやったら話が合うのだろう。想像できない。いや、まて相手は所詮同じ人間だ。顔つきや出身国を気にしちゃダメだ!人間は皮をはげばみな同じガイコツなんだぜ!

といった言い訳を5秒ほどで考える。しかしここは愛想よく

「確かにそうですね。やってみます」

とだけ答えた。うーん、仕事ができてもこういうコミュニケーションが下手だと逆に評価が下がりそうな気がするなあ。超内向的人間には苦しい任務である。そもそもここまで深く考える必要はないかも・・・まあここはインシャアッラーということで。