人生で一番ボロクソになり、ためになった面接

あの面接をやり終えてただ思うのは、あんな難しい面接が世の中に存在するとは(もちろん自分の実力不足もあるが)・・・ということである。ボロクソな面接になり惨めになると同時に、経験、年数、自分が足りないものを痛感する面接でもあった。

1次面接を終えて、次は「テクニカル面接」と呼ばれる第2次面接であった。「テクニカル」って一体何よ?という聞き覚えがない不気味な言葉(面接の段階では、どんなものにも普段以上に細心の注意を払ってしまうらしい)に、若干嫌な予感がしていた。

1次面接のマネージャーは、技術的な能力を見るだけだから、といっていたが聞いたこともない謎の響きの面接名にひどく胸騒ぎがする。ということで、必死こいてなぜかテスト勉強のようにとりあえず吸収できる知識を吸収しておく。ちなみに応募職種は広告代理店でのソーシャルメディア広告やYouTube広告など広告関係のもの。


そして不気味な(勝手に私が感じていただけである)インド人の笑顔とともに始まった第2次面接。もともとは電話で行う予定だったが、電話での英語に弱いので、「いきます!」と主張してわざわざ先方の会社に向かったのである。出されたお題はこうだ。

スマホを扱う会社が、新商品を出したいといっている。今回のキャンペーンで達成したいのは、新商品の認知度向上とアプリもあるのでアプリのダウンロード数を増やすことである。

代理店だとよく扱う内容なのだが、今ここでキャンペーンのメディアプランニングをせよといっているのである。プレゼン形式ならまだ分かるが、口頭で今お題を発表してやるって・・・

面接する側としては、本人の実力がよく分かる方法だし、実際の業務ですぐ働ける人間かどうかを見極める最善の方法である。これならよく耳にする、「雇ってみたらぜんぜん出来なかった」という人事と現場のギャップが発生することもまずないだろう。

しかし、面接される側としてはたじたじである。しかし、乗りかかってしまった船なので最後まで航海をしなければならない。ということで、下記のごとく面接が進んでいくのである。

「まずどのチャネルの何のメニューを選択する?」
「クライアントに概算を出すけど、どういう指標を使う?どうやって概算を出す?」
「クライアントに、広告アカウントのアクセスを渡したいときはどうやってやる?」
「フェイスブックで最近あったアップデートは?」
「予算を割り当てるのに、期間で割り当てるのと日にちで割り当てるのはどう違うか?」
「この機能を使うのに必要な前提条件は?」
「サードパーティートラッキングとは何か?」
「キャンペーンが始まりました。あなたが次に行うことはなんですか?」
「キャンペーンが終わって、レポートをします。どの指標をレポートに含めるか?」

半ば口答試験なんじゃないかと思うぐらい、細かいことを聞くのである。ピンポイントで、「こういうときはどうする?」というのなら分かるが、始まりから終わりまですべて細かくこの調子である。ひえええええーーーと心の中で大汗を書きながらなんとかこなすも、どうしても何も出てこないときがある。すると不思議なことに、面接官なのい「これは、こうでね」となぜか説明をしてくれるのである。

もはや途中から勝ち目がなくなり、無理だ・・・と思い始める事態に至る。これは、センター試験での生物の試験で味わった感情以来である。しかし、例のごとく「あきらめたらそこで終わり」という名言が一方から飛び出してくるので、なんとか必死にくらいつく。

それでも、面接が終了する頃には結果が明らかに分かっていた。悲しい表情をなんとか押し殺し、半ば苦笑いとなった顔で最後に挨拶。おそらくここへは戻ってくることはないだろう、という確信を抱いて。

というわけで、なんと1時間半にわたる「テクニカル面接」はここに幕を閉じた。まあでかい代理店なだけに、人を雇うのにかなり慎重になっているということと、まじレベル高いわ、と思うのであった。かつて日本で同等規模の代理店に勤めていたとはいえ、自分の想像をはるかに超える高いレベルがあるのだなと。

と同時にまだこの分野で磨かなければいけないことがたくさんある!ということを再確認できた面接であった。その意味で、長く1つの会社にいればこんな面接にも当たらず、自分や世界の実力を知ることもなかったのだろうと。というわけで、ボロクソになりつつも実りが大きい面接にあたって、よかったなあと今では思うのである。

結果としてその会社はダメだった。分かりきっていたが、それでもあれぐらいのレベルで仕事をしているという会社がいるということと、自分はまだまだ勉強しなければならない、ということが得たものは大きかったと思う。そう、転職さえしなければこうやって自分の実力を客観的に見直すこともないのだ。1つの会社に長らくいたとしても、そのやり方が先進的なものなのかどうなのかすら判断はつきにくい。その意味で、自分を正当化するわけではないが、定期的に自分の能力、スキル、モチベーションを見直すという意味で、転職というのは役に立つのではないかと思う。